05 «1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.» 07

日本が日本であるために

時事、ニュース、政治、経済、国家論について書きます。「日本が日本である」ということを政治、経済の最上位目的と前提します。

 

TOP > 政治 > title - 右と左③(おわり)      
  

右と左③(おわり) 

 政治思想の右左と、計画経済性と自由主義経済性を混同してはならない。
 計画経済性と自由主義経済性はどちらかに偏ると明らかに良いことが無いのである。共産主義の失敗は、「計画経済性なるものが悪い」のではなく、「偏った」ことの方に問題があるのだ。

 計画経済性指向の強い政策とは、税率を高くして、政府の支出を多して、強く規制を敷くような政策である。このような政策を採った政府を通常“大きな政府”と呼ぶ。
 自由主義経済性指向の強い政策とは、税率を下げ、政府の支出は減らし、規制を緩和して、経済を民間の市場原理に任せるような政策である。こちらは“小さな政府”と呼ぶ。
 つまり、自由主義経済性と計画経済性の対立軸とは、国家の経済を統治する上でのメソッドの対立軸なのである。この対立軸を細かく見てみると、「税率」「規制」「官と民」と、全てがバランスを持って統治すべき項目であることは一目瞭然だ。
 旧ソ連のように大きな政府を極めたような国は、その対立軸であまりに偏っていたのである。対して、アメリカは自由主義経済性の極めて強い国であるが、一応計画経済性の面も合わせ持っていたため表面上はバランスが取れているように見えたのである。
 しかし、アメリカは極まってはいないものの、もともと自由主義経済性が高かった上に、イギリスのサッチャー改革やソ連の崩壊等のファクターも相まって、より強く自由主義経済性を高めていった。その偏りが表面化したのが貿易摩擦やサブプライムローン、リーマンショック等である。
 これは、政府が自由主義経済性に偏った政策を施した際に、国家に及ぼす影響を端的に表している。
 つまり、「規制を緩和し、税率を下げ、市場原理に任せ、政府を小さくしていく」ことは、政府の統治能力を下げるということなのである。そもそも、国家においての経済とは、国民の間で回る物質を、滞りなく循環させることが史上命題である。政府はそのように統治しなければならないし、そのためには統治能力、権限を残しておく必要がある。確かに、民間の競争や市場原理に任せることが、物質の循環を健全に促進する部分もある。しかし、そうはならない部分も実は多い。それを是正し、統治するのは政府以外に有り得ないのだ。
 当たり前の話ではあるが、“小さな政府”を極めていけば、それは無政府主義に到達するのである。


 さて、東西の冷戦は、ソ連を中心とした共産主義諸国V.S.資本主義の西側諸国という構造である。この西側の中にはアメリカという共和制の国もいるし、イギリスという立憲君主制の国もある。共産主義を左とするならば、共和制立憲君主制はなんと呼べば良いのか。だから、もうややっこしいから共産主義共産主義として、右左の議論上にはない別の物としてとらえるべきだと思うのである。
 しかし、現在は冷戦の名残で、共産主義者、または旧共産主義諸国に非常に肩入れしている者を左翼と呼び、国家と天皇を敬っている者を右翼と呼ぶ。その結果、共和主義的な発想を“中道”であると勘違いしている輩が出てくる。つまりはこうだ。
「私は共産主義者でもなければ、天皇に特別な感情もない。だから右も左もなく中道である。そして、政治は民主的に、日本国民一人一人の生活のためにとりおこなわれるべきだ」
 そんな風に考えてる日本人はかなり多いと思う。
 これは一見バランスが取れているように見えるのだが、一歩下がって第三者的に見てみると、左論しか言ってないし共和制の論である。だって、「共産主義ではなく、天皇という君主も認めず、国民の権利を個人としてとらえている」のだから、アメリカ的共和制のイデオロギー以外の何物でもないではないか。また、その上に乗る国の枠組みという右論は欠如しているのだから、出来損ないの共和制である。アメリカやフランスという共和主義の国においても、左論の上には必ず国家の枠組みを乗せるのだから(上手くいっているとは到底思えないが)。そして、下手したら経済の強さだけにはナショナリズムを感じて過激な自由主義経済を主張したりするのであるから、「衆愚政治」と呼ばれてもいかに反論のしようがあろうか。

 なお、「共和制日本」というのが「今、日本と呼ばれている地域についての政治思想」であって「日本の国家の政治思想」には成り得ないことは先に述べた通りである。単純な事実誤認だ。

 さらに言えば、「右もなく左もない」という言葉に代表されるように、右翼とも左翼とも思われたくない——いや、そういったものに自分がなりたくない、という思いが、現在の日本人には強くある。
 しかし、右論や左論がなく、政治についてどう論理的な思考をしろというのか。また、「政府や行政府の指針を多数決で決める」というような、政党政治のシステムを採用している国家においては、「統治者」とはダイレクトに国民のことであるのだから、国民が政治について論理的な思考ができなければ、それはまさしく衆愚政治と呼ばなければならないだろう。(俺はそもそも民衆が民衆を統治するなど不可能であると考えるので、政党政治には反対だが。民主主義は議会において発揮され、行政府においてはある程度の超然主義を発揮しなければならないと思うからである)
 「中道」という語は、甚だ曖昧な概念ではあるが、それでも中道を目指すのであれば、「右も左もない」ではなく、「右もあり、左もある」ことが前提条件ではなかろうか。そして、その右と左をなんとか筋だった一本道に思考することが「中道」であり、「考えなし」のことは中道とは断じて呼べない。



 さて、国家と政治、統治について考えないということであれば、それは必然的に物事を「個人と世界」という項目で考えるようになる。国家という属性を無視し、人類という属性に寄ってしまうのである。
こういう「国境はいらない」「人類はみな平等」的な考えは、残念ながら本当に今の日本を席巻していると言わざるを得ないが、これもまた事実誤認である。

 そもそも、地球の各地で人間が他の生物よりも上位に位置しているのは、「人間が他の生物よりも強いから」である。
 キリスト教を初め、ほとんどの一神教の思想では「理性があり、思考ができるから、人間は神に選ばれた生命体である」というようなサッパリわけの分からないことを言っているが、人間は断じて神に選ばれてなどいないし、他の生物よりも偉いわけでもない。すべての生命体、哺乳類、爬虫類、虫、植物に至るまでが、同じ尊い生命である。そのなかで、何故、現実的に上位、下位が存在し、人間が支配力を発揮しているかといえば、物質量が有限であり、また、強い者が物質を支配するからだ。
 つまり、「理性と思考を持っているから人間は偉い」のではなく、「理性と思考を持っているから、人間は強い」のである。
 よって、人間に「生まれ持った普遍の権利」など存在しないのだ。

 その中で、人間に「権利」というものがあるとすれば、近い価値観や文化を共有した枠組みの中においてのみだ。当たり前のことだが、価値観が違えば、当然「権利」の概念も違うのである。
 一人では生きてはいけない人間が、どうにかこうにか最低限価値観を共有できる最大限の規模の単位が「国家」である。国家とは、混沌として暴力的な状態に、どうにか秩序と安定を維持しようと、価値観や文化を枠組んだ、人間のギリギリの知恵なのだ。
 もし、世界に国境がなくなるとすれば、価値感や文化や枠組みが、世界の人類全てで、ある程度共通化した時であろう。でも、俺はそんな単一的でつまらねー世界はまっぴらごめんだ。だって、それは世界が一国になることに等しいから。
 欧州の現状を見れば分かるように多文化は共生できないのだから、それを分けているのは国家である。人類に多様な価値観や文化が存在するのは、国家が存在するからなのだ。

 信じられないことに、現代日本では、「国家の意識を強く持つ者」を右翼、「国家よりも人類という意識を持つ者」を左翼、という認識すらある。
 「国家の意識を強く持つ」のは、国家が国家として存在している限り、当たり前のことである。これも、別に「国家の意識を持たないとはけしからん」と言っているわけではなく、「政治思想の対立軸である右と左において、国家の意識は前提条件である」と言いたいのである。だって、政治とは国家があってはじめてなされるものだから、国家のない政治思想などありえないではないか。
 つまり、「国家よりも人類という意識」は左と呼ぶべきものではない。単なる無政府主義だ。



 このように、戦後の右翼左翼のイメージから構築された現在の右左の軸は、あまりに歪んでいる。というか、事実誤認が多すぎる。
 その結果、天皇について、経済について、国家の意識について、明らかにおかしな議論が横行することとなってしまったのではなかろうか。



日本が日本であるために・トップページへ



ランキングにご協力くださいこれをポチと押してブラウザの戻るで戻っていただければ、ランキングが上がるみたいなので。
関連記事
スポンサーサイト

Category: 政治

Thread: 日本を正常な国に戻したい

Janre: 政治・経済

Tag: 右翼  左翼  共産主義  共和制  立憲君主制  天皇  政治  日本  反日  ネトウヨ 
tb 0 : cm 0   

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://shooota.blog.fc2.com/tb.php/10-a0567b0e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)