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日本が日本であるために

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税とは物価の調整弁ではない 

 今日も消費税の話を。

 消費増税反対の声がにわかに高まっている昨今ですが、今大切なのは、その筋において「単に税金が上がるのがイヤでムカつく」といったような大衆感情を、心根から徹底的に排除した上で考えていく事だと、俺は思っています。
 少し前まで少々は論理筋立ての節度をもって語られていたこの問題が、甚だ醜く、愚鈍で、感情的に語られるようになっていると感じるからです。


 はじめに確認しておきたいのですが、そもそも、「消費税の増税そのもの」については、既に法律で決定された事項ですよね。
 今、話題にされるべき内容は、その『時期』のはずです。
 つまり、「消費税率のアップは決定しているものの、その時期を来年の四月から行うのか、延期するのか」という議論でしかないはずなんですよ。

 そして、俺も、どちらかといえば「来年の四月からの税率アップは時期尚早であり、慎重になるべきだ」と思っています。世間でよく言われているように、「今はデフレであるから、消費が減って、民間の需要が目減りしてしまうと、需給ギャップ悪化の要因の一つになりうる」と考えるからです。


 しかし、この「今デフレだから」というのは、どこまで行っても『短期的な技術論の一つ』にすぎないということも、理解しておかなければなりません。
 何故なら、そもそも『税』とは、「物価の調整の為」に存在するものではなく、「国家において長期的に適正な規模の『政府』を構築する為のもの」だからです。

 この、税そのものーーつまり、民間に比較した『政府の大きさ』という根本論を抜きにして税を論じると、これは少しおかしな話になってしまいます。
 たとえば、単に「デフレだったらインフレ基調にするために減税を、インフレだったらそれを抑制する為に増税を」といった、あたかも税が『物価の調整弁』として存在しているかのような錯覚すら起こしてしまったり……と。

 立ち止まってよぉーく考えて貰いたいのですが、
「減税するならデフレの時が好ましく、増税するならインフレの時が好ましい」
 というのと、
「デフレだったらインフレ基調にする為に減税を、インフレだったらそれを抑制する為に増税を」
 というのでは、全く意味が違うでしょう?


 あるいは、
「増税は、デフレでやるよりインフレでやった方が良い」
 というのと、
「デフレで増税は駄目」
 というのも意味が違うのが分かりますか?


 つまり、『税』の議論は、現状の『政府の規模』が国家の規模において「小さすぎるのか、大きすぎるのか」という所を見定め、それによって「税を増やす、減らす」といった長期的なビジョンを先に持っていなければならないと、主張したいわけです。

 そして、増やすビジョンを持てば「出来れば、インフレの状態で増やすのが望ましい」と考え、減らすビジョンを持てば「出来ればデフレの状態で減らすのが望ましい」と考えるーーといった筋道でなければならないのです。



 今、何が何でも「デフレで増税は駄目!」と怒りのたまっている輩はよく自分の胸に手を当てて自答して欲しいもんです。

 『デフレで増税は駄目論』は、あたかも国家全体の運営の云々を合理的に指摘しているかのように聞こえますが、その激烈な怒りは本当に『国家の繁栄』に根を置いて発せられているのでしょうか。
 もしや、「自分に好景気を享受させろ」とか「税金を高く取られるのが嫌だ」とか、そういった卑俗な心根が混ざっているのではありませんか?
 少なくとも、「増税したらデフレは抜けれない!」と怒り猛っている輩は、自らにその疑いをかけるべきです。

 繰り返しますが、俺も、「増税はデフレでやるより、インフレでやる方が良い」と思っていますよ。
 しかし、税とは政治ですから、事と次第、流れや風向きで、万事理想的なタイミングで行えるとは限りません。それくらいは『政府への寛容さ』をもって捉えるべきでしょう。

 また、消費増税は民間消費を減らすので、確かにデフレ圧力の一つになり得ますが、それでも一つの要因にすぎません。
 なのに、ことさら消費税について、かくのごとき烈火の怒りをあらわすのは、やはりそこには「単に税金が上がるのがイヤでムカつくといった大衆感情」が入り混じっているのではないかと疑わざるをえないわけです。

 別に、そういった卑俗な大衆感情によって消費増税に反発すること自体はかまわないのですが、その感情を「デフレで増税は駄目論」でもって装飾し、あたかも国家全体を思っているかのごとく装う根性は卑劣極まりないと糾弾しているのです。

 おおよそ、そういった輩にとっての『デフレ脱却』とは、「国力を上げて国家の独立性を高める為」のものではなく、所詮は単に「自分が好景気を享受したいが為」のものなんじゃないでしょうか。



(了)



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