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田村秀男の消費税反対論における中川昭一利用、についての糾弾 

 何回も続いて消費税絡みの話題で恐縮ですが。

 産経の編集である田村秀男氏の描いたもので、このような記事があります。

『現金支払機の増税デフレ 中川元財務相の「遺言」に思う』
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130922/fnc13092214460005-n1.htm

 ここでの田村氏の消費増税反対の筋立は、
『政府は、大量のドル建ての米国債を買うことにアメリカへNOと言えない。だから、デフレの中で国民から税を絞り取って、米国債をの購入資金にあてようとしているのだ。すると国民が消費を切り詰めなきゃならんので割を喰うし、民間需要が伸びないので成長できない』
 というものです。


 まず、ここには、一見してすぐさま分かる矛盾点があります。
 というのも、田村氏は、「デフレで消費増税をしても、税収は上がらないので反対だ」という風に常々おっしゃっておられました。
 そうなると、「消費増税で税収が上がらないのに、どうして米国債の購入資金になるのか?」という至極単純な疑問が沸き上がるわけです。つまり、この時点で田村氏の消費増税反対の筋には一貫性を見出す事が出来ないし、一貫しているのは消費増税への反対という結論だけなのだと見受ける他ないわけです。
 だってそうでしょ?もし、あなたがアメリカで、米国債を売りつけたいのだとして、「デフレ下での消費増税で税収が上がらない」のなら、アメリカが今日本に消費増税を求める理屈に合わないじゃないですか。逆に、「消費増税によって米国債が売れる」という理屈を成り立たせたいのであれば、「デフレでの消費増税でも税収が上がる」という見解を示さなければならんという話になってしまいますよ。まさに、『矛盾』でじゃないですか。


 また、田村氏は、消費税という税収のほんの一部の項目と、米国債の購入という政府の支出全体から賄われる項目に繋がりを持たせる理屈を、『国際公約』に置いています。
 つまり、「政府は『国際公約』という外圧によって消費税を上げさせられている。外国の指図によって、自国の税を云々するなど言語同断」と、おっしゃっておられるわけです。
 しかし、田村氏がこうした批判を始めた、G20での麻生大臣の「消費税の国際公約発言」においては、既に消費税の増税自体は国内法で決定しておりました。もう国内で決定した事を国外で約束したとしても、それは「自分の所で決めた法律は、守りますよ」と言っているに過ぎないわけです。
 また、もし、この麻生氏の発言に対して強く反発する者がいるとするならば、それは「時期など関係なく、もう決定しているはずの消費税の増税そのものに反対」であるとしか考えられません。田村氏が、「時期など関係なく、もう決定しているはずの消費税の増税そのものに反対」なのであれば「デフレで消費増税をしても、税収は上がらないので反対だ」という時期の理屈を用いるのは、おおよそ『卑怯』と呼ばれる種類の態度ではありませんか。


 以上の二つから、「消費税の増税」と「米国債の購入」に関連させて、消費増税を「外圧」と捉える田村氏の論理は、甚だ無理がありすぎると考えます。(そもそも、田村氏はTPPに関しては随分と大賛成のご様子ですが、そちらは一向に外圧といった風に捉えない所が俺には不思議でたまりません)



 さらに、ここで俺が最も気にくわないのは、田村氏が、「故人である中川昭一先生の名を用いて持論を虚飾している」所にあります。
 そもそも、記事の中で紹介された中川昭一先生の「日本はキャッシュ・ディスペンサーになるつもりはない」というお話と、今世の中で議論されている「消費増税の『時期』」について、関連性を見出すには甚だ無理がありすぎです。何故なら、前述の通り消費増税を「外圧」と認定する所にまずをもって無理があるからです。
 別に、「外圧そのものが無い」なんて言ってませんよ?ただ、消費税と外圧に関連性を見出すのは難しいし、ましてや、中川昭一先生が「日本はキャッシュ・ディスペンサーになるつもりはない」とおっしゃっていた『外圧』と、『消費税』の間には、一ミリリットルの関連性も無いではないですか。

 その至極無理矢理な理屈を、無理矢理に『中川昭一』の名で補強して、あまつさえ「遺言」などと情緒的に述べ立てるのは、あまり上品な物の書き方とは思えません。
 なんといっても、中川先生は既にお亡くなりになっておられるのですから、自分の言説がどのように使われようとも、文句をおっしゃることは出来ないのですから。

 尤も、産経とはいえ新聞です。いわゆる大衆言論というものに属する媒介へ上品さを求めようなどというのはどだい無理な話なのかもしれません。



(了)



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コメント

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# |  | 2013/09/29 00:55 [edit]

Re: はじめまして

いつも当ブログをご覧くださっているとのことで、まことにありがとうございます。

相互リンクの方、承知いたしました。
よろしくお願いいたします。

後藤真(おーじ) #- | URL | 2013/09/29 01:15 [edit]

財政均衡主義、デフレ

田村氏の論説一読しただけで、精査していなくて申し訳ないのですが コメントさせていただきます。

財政均衡主義という外圧もしくは、新古典派経済学の影響のもと世界を覆う国民経済にたいする毒素が 消費税増税の理論的根拠であると思います。よって 世界の流れ=外圧といえると考えます。

米国国債は日銀の裁量で自由に、恣意的に購入されます。
消費税増税、デフレ、円安、TPPに輸出企業の躍進で外貨準備高が膨らみ米国国債が購入されると思います。それとともに、国内で需要のないマネーが米国フアンドに投資され 米国経済=ドルを支えます。中川氏の指摘した世界の(アメリカの)キャッシュディスペンサーそのものの日本です。

sirou #- | URL | 2013/10/31 13:41 [edit]

Re: 財政均衡主義、デフレ

sirou様、コメントありがとうございます。

 俺は、sirou様のご見解の一つ一つには、おおむね賛成です。

 しかし、田村先生はそんなことおっしゃっておりませんし、だからこその田村先生批判であることを、記事を精査していただければ分かっていただける事と存知ます。

後藤真(おーじ) #- | URL | 2013/11/02 00:35 [edit]

これは、ブログ主様の誤謬です。

田村氏の主張は、私も読みました。
「貯蓄投資バランス」の話だと思います。

国内の資金需要が少ない場合、資金が海外へ流出することになります。理屈ですが、

・Aさんは、雇い主のBさんから1000万円の年収を得ています
・Aさんは、年間、800万円の支出をします
・すると、Aさんは、銀行へ200万円を預ける(貸出する)ことになります

つまり、所得-支出=貯蓄で、この貯蓄分が貸出(海外流出)ということです。

貯蓄投資バランスアプローチでは、所得-消費需要=貯蓄となり、この貯蓄から投資を引いても残った部分が海外へ流出することになります。

日本の場合、何十年も経常収支が黒字です。ということは、貯蓄から投資を引いても、まだ余って、海外へ流出しているということです(資本収支の赤字)。

田村氏は、この資金の海外流出が米国債などへ流れていると指摘しているのだと思います。

憂国の一国民(真の国益を実現するブログ) #XlaQpumE | URL | 2013/12/02 17:29 [edit]

要するに

消費税を増税したら、消費需要が減るから、今までよりも余計に海外へ資金が流出し、その一部が米国債の買いにまわる・・・ということです。

憂国の一国民(真の国益を実現するブログ) #XlaQpumE | URL | 2013/12/02 17:31 [edit]

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