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リフレ及び消費増税反対論に対する糾弾と、ファシズムのススメ 

 昨今、俺が『消費増税』の話題を取り上げている理由の一つは、「今においてのこの問題への態度がそれぞれの経済思想全体を推し量る良い指標となり得る」と思う所にあります。


 昨今叫ばれている「アベノミクスの『三本の矢』によるデフレの脱却」ですが、これには「二つの道筋がある」と、このブログでは再三述べて来ました。
 俺は、それを大まかに「リフレ派」「ケインズ派」というように呼んでいたりもしたわけです。


 あまりに長くデフレが続いていたので勘違いされがちなのですが、そもそも『デフレ』とは「短期的」な問題であります。
 勿論、短期的な話題は重要です。長期的などと言っていたら、皆死んでしまいますしね。しかし、逆もまた然りなわけです。つまり、短期的な話題をこなすためには、どうしても長期的な方向性が論理的に必要だということです。
 これは、常識で考えれば至極当然の事で、「長期的視野の無い短期的な問題解決などあり得ない」し、逆に「短期的な問題を解決しなければ長期的視野など不毛に終わるだけ」でしょう。長期と短期というのは、そういった相互依存関係が成り立っているわけです。

 ですから、一見、幾人かが「アベノミクスの三本の矢でデフレ脱却!」と短期的な問題意識を共有しているように見えても、「実はその元にある長期的な視野や方向性における思想が違う」という事などは、あって当たり前の事なのです。
 そして、長期的な方向性に対する思想が違うのであれば、短期の問題解決においても、徐々にその道筋にズレが生じてゆくのも当たり前な話であると言えるでしょう。

 アベノミクスの三本の矢においては、「リフレ派」と「ケインズ派」のズレです。
 そして、この二つの短期的な問題解決における姿勢の違いは、
「経済において、『政府の領域』と『民間の領域』のどちらをより広げて行くべきと考えるか」
 という、思想の違いが根底にそびえているわけです。

 リフレ派には、『政府の領域』の割合を減らし、『民間の領域』の割合を増やして行く方向への長期的な展望があります。

 対して、ケインズ派には、『民間の領域』の割合を減らし、『政府の領域』の割合を増やして行く方向への長期的な展望があります。

(※注) ここで勘違いしないで欲しいのは、この両者の展望はあくまで『割合』の話であって、『絶対値』の話ではない所です。
 わかりやすく例えると、江戸時代の「五公五民」という話がありますでしょう?あれは、全体の経済の中で、政府が五割、民で五割の消費していくバランスの話ですよね。
 政府の適正規模を長期的に考えれば、物価の話もありますので、当然、絶対値の話ではなく、『割合』で捉えなければおかしな話になってしまうーーなどというのは、おそらく高校生だって分かる事柄でしょう。
(注、終わり)




 さて、長期において、リフレ派に「民間の領域」に思い入れがあり、ケインズ派に「政府の領域」に思い入れがあるという所を意識して、『消費税』に対するそれぞれの姿勢を俯瞰してみましょう。


 すると、概ねリフレ派からは、「短期的には勿論、長期的にも消費増税に反対」という強い態度が見て取れるわけです。当たり前ですね。彼らは、『民間の領域』に思い入れがあるのですから、時期などは関係なく、「税は減って行くことが望ましい」と考えるわけです。
 さらに申せば、リフレという姿勢は、「デフレの脱却の仕方」の筋立てにおいても、あくまで「民なるもの」での解決を重視します。つまり、デフレにおける『需要不足』は、「民の消費」を高めていく事によって解決するのが望ましいーーと考えるわけです。
 そうなると、同じ『需要』であっても、アベノミクスの二本目の矢であるところの『財政の出動』つまり、「政府の需要」には否定的になるわけです。そんな彼らが消費増税に対して強い嫌悪感を示すのは当たり前の事なのかもしれません。


 対して、概ねケインズ派からは、「短期的には増税に消極的、長期的には増税賛成」と、こういう姿勢である事が多いわけです。
 彼らは経済における『政府の領域』を強めるべきだと考えていますので、国家全体の中での『需要』は、「民間の消費」よりも、「政府の支出」で補って行こうという指向が強いからです。
 勿論、民間の消費も増えて行くべきだとは考えるからこそ、デフレでの増税には消極的なわけですが、リフレ派ほどの強い「消費増税反対」の姿勢にならない事は、元からの筋に鑑みて当然なわけです。



 つまり、リフレ派は「民間の消費と、民間の競争」によってデフレを脱却すべきだと考えていて、ケインズ派は「消費サイドは政府が主に増やし、民がもっと働けるようにしていく」ことによってデフレを脱却すべきだと考えるわけです。

 そうなると、おおよその政治的発言をする大衆にとって耳に優しいのは、リフレ派の方ですね。
 だって、とどのつまりケインズ派は、「政府が支出する為に、民がもっと働けるように向かっていく論理」であり、リフレ派は、「民がもっと消費出来るようにする為に、民がもっと働けるように向かっていく論理」なわけですから。
 多くの人は、「自分がより自由に消費したいから働きたい」という衆俗的な心持ちが根底にあるわけで、リフレ派の理屈はその心持ちに迎合した筋になっているわけです。



 しかし、俺は、リフレ派的な輩を見る度に、「こいつら何か勘違いをしているんじゃないか」と思ってしまうのです。
 と言うのも、「民がもっと消費出来るようにする為に、民がもっと働けるように向かっていく論理」を好む輩は、「国家とか政府といったものが、日本列島という場所で今を生きる人間の一人一人の効用を最大化する為に存在している」とでも思ってるんじゃあないかと、疑ってしまうのですよ。
 悪いですけれど、政治や経済は、「日本列島という場所で今を生きる人間の一人一人の為」を最終目的としてはならんのです。
 だって、『政治や経済』が何の為にあるのかと言えば、『国家』の為にあるわけでしょ。
 国家の為に、その「国の民」であるところの生活がそこそこ成り立ってゆく必要があるから、『国民』の消費や、『国民』の雇用に、重要性が帯びてくるのですよ。
 そして、『国家』の為に重要なファクターを考えれば、それが単なる「人間の消費や雇用」とならぬ為に、『強固な中央政府の権力と権威による統治』が不可欠であることなど、至極当たり前のことではありませんか。
 何故なら、中央政府がこなす統治には、「国家を独立せしめる事」「国民を統合する事」「国力を上げる事」といったような、国家の為に重要かつ、「民なるものの自由な消費活動」に任せるだけでは如何ともし難い領域があるからです。

 そうした見地から、俺は『中央政府の権限』を強めて行く方向で、デフレを脱却すべきだと考えます。
 勿論、民なるものの消費活動も活発化していくことが望ましいですよ。それが、「単なる人間の欲望」ではなく、国家の属性を帯びた『国の民』の生活の中で行われる消費活動であるのならば。
 しかし、それにも増して、中央政府の支出と権限を増やして行き、「国家を独立せしめる事」「国民を統合する事」「国力を上げる事」といった『公的な需要』に重要性があるのだと考えます。
 例えば、短期的には道路、橋、堤防などの国土計画。長期的には、軍事力を高め、政治家の定数や高級官僚の給料や数を増やし統治力を上げ、国家による教育の強制力を強め、研究、開発に金をかけ、法や歴史に対するある程度の宣伝、諜報活動にも力を入れて行く……と言ったような。

 このような筋は、ケインズというよりは、ファシズム的な筋に近いかと思われますが、事実、今の日本に決定的に欠けていて、重要な課題は、ファシズム的要素にあるのだと、俺は思います。
 もっと言えば、「大衆による政府への嫌悪」に迎合して、中央政府の権力を削ぎ落とし続けた事が、特に平成における日本の大失敗なのだと考えるのです。本当に、少しくらいナチスの手法に学ぶべきなんじゃあないでしょうか?

 だって、「国家において、中央政府によるある程度の強制が必要」だなんてことは当たり前の話でしょ。
 削ぎ落とされた政府の支出や権限は、その分GDPにも反映されますし、政府の領域であった公的な需要を、民なるものの需要によって賄おうとしても、限界があります。
 勿論、政府の領域をあまりに過剰に広げ過ぎても、限界があります。それはそれで、民なるものの需要を、公的な需要で賄おうとしても限界があるからですね。

 そこは、要はバランスなわけです。
 国家規模に応じた、適切な政府需要、民間需要の割合というものを見定めねばならんのです。

 特に、軍事、政治家、官僚、公共事業等々は、ここ二十年は大衆根性に叩かれまくって来たわけですから、そろそろ日本一億民は「そのあたりの『公的な需要』が、やはり必要だったのだ」と反省しても良い頃なのだと思うのですが。
 それも無しに、まだ「我々に好景気を享受させろ」と政府への請求ばかり繰り返す下賤な輩を見ると、ほとほと吐き気がします。

 俺から言わせていただけば、現在の不況は「政府を叩いて世へ平らかに解放せしめれば、我々庶民に巡ってくるはず」とやってきた報いなんであって、そうした下賤な根性にまみれた今を生きる日本人共を「可哀想な無辜の民」などとはどうしても思えないわけであります。



(了)



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