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チャンネル桜、『どこへ行く?参院選後の日本』7月27日の討論を振り返って検証する①(西部邁v.s田村秀男) 

 俺は、重たいチャンネル桜ユーザーではないのだけれど、youtubeに上がってる討論をたまに見ます。

 近頃見た討論で印象が強かったのは、少し前にはなりますが、7月27日の『どこへ行く?参院選後の日本』という回でありまして、西部邁先生、上島嘉郎先生、田村秀男先生、関岡英之先生、三橋貴明先生等々世に名だたる先生方が出演なさっておりました。

 この討論は一時間×3ありますが、ここで取り上げたいのは、その三時間目……消費増税に関する議論であります。





 ここでは、「消費増税に対して肯定的な筋をおっしゃる西部先生」対「消費増税絶対反対の田村先生、三橋先生」……といった様相を呈していますね。(とりあえず川口ロマーン先生を置いておいたとして)


 さらに見ると、消費増税絶対阻止であっても、「増税における『時期の論理』を根拠にする三橋先生」と、「消費増税そのものに反対のはずなのに、何故か時期の論理を唱える田村先生」とで、違いがあることがお分かりでしょう。
 ですが、「来年の四月での消費増税に反対」という技術的な立場は変わりがないので、ここでは語調を同じくしているように「見える」のですね。


 そういった風に「消費増税絶対反対」の空気で纏まっていた議論の中で、西部先生はそんな空気など意に介さず、正直に疑義をぶつけなさっております。

 尤も、youtubeのコメント覧を見ると、「西部は経済が分かってない」などという、こちらまで恥ずかしくなって、全身が痒くなり、赤面してしまうようなコメントが数多く上がっています。また、よくとも「西部先生はここではあえて逆の立場に立って議論を広げているのだ」というようにボヤかすようなコメントしか見られません。ですから勿体ないことに、ここでの西部先生の発言及び、それに対する議論は、あまり着目されなかったのではないかと思うのです。

 しかし、俺は、この議論には単なる「技術論」や「抽象的な議論」に留まらぬ、非常に注目すべき点が多く含まれていると確信します。
 また、ここでの議論を振り返って、検証する事が、『来年の四月からの消費増税』が決定した現在において、これをどう考えるべきかの大きなヒントになると考えるわけです。



              ・



 結論から申せば、俺は、ここで西部先生のおっしゃっていた消費税の議論に賛成です。


 僭越ながら、以下に西部先生の論点を纏めてみました。


1、『消費税』という税は、他の税と比べると、景気に左右されず、安定的、強制的に徴収していける税であるから、社会保障の長期的、持続的な制度を構築するのに適している。

2、デフレの時に、消費増税が消費に対して悪要因であることには一理を認めるが、一方でインフレ、デフレとはあくまで『市場』という表層的な話題に過ぎず、その市場の土台となっているはずの『社会』の長期的安定を無視して経済を論じる事はできない。

3、また、社会の不安定性は、投資、雇用、消費にも影響を与えるはずであるから、短期的な『デフレ』という問題の要因にもなっていると考えないわけにはいかない。

4、そうなると、「デフレ下の消費増税が悪影響を及ぼす」という考えの一方で、「長期的、安定的な社会制度を構築するために、政府は安定的な税を強制的に徴収するぜ……という所を示すという意義」に考えを及ばす必要がある。

5、さらに、日本の現状から見て『財政の規律』は大した問題になっていない。ので、『短期的なデフレ』を問題とするなら「公債を刷って、公共投資を増やす」方に重点をおくべきで、また、もしそれが十分に叶うのであれば、『長期的な観点』からは「消費税を増やして、国家における安定的な社会保障を構築する」という姿勢があっても良いはずだ。

6、加えると、長期的な国家の展望を考えた時、今まで過剰に政府を小さくしすぎたので、これからは「今よりも政府を大きくしていく」という方向性へ進むべきであるから、基本的に、税の『率』(額ではない)は増やしていくべきである。


(※俺のような者が西部先生の言葉を纏めるのは、玉を泥水で濯ぐような愚行であると思えますが、おおよそこのような事をおっしゃっておられたと、俺は解釈しております。)



 さて、これに田村先生はこう、反論するわけです。

a「『社会保障の充実のための消費増税が経済成長にしする』というのは、民主党的な考え方である」

b「橋本内閣の消費増税では、税収が上がらなかった」

c「税収を上げる為には、経済が成長すればよいのだ」

ーーと。


 しかし、俺は、田村先生のこういった薄っぺらな理屈が、「西部先生の論を批判するもの」としては全くの見当違いであると糾弾せずにはいられません。

 とりわけc「税収を上げる為には、経済が成長すればよいのだ」という所は酷い理屈です。何故なら、経済が成長して伸びるのは『税収』だけで、政府の大きさーーつまり、『政府』と『民』の規模の割合ーーではないからです。
 西部先生が、「長期的に、政府が適正規模を保つ事や社会を安定せしめることは、短期の市場動向にも関連性がある」という筋で、税の『率』を話題としているのに、田村先生は単なる税の『額』をもって批判しているわけです。ちぐはぐもいいところだと、俺は思います。

 さらに言えば、田村先生のグラフは名目成長で増収を試算しているわけですから、「物価の上昇によって増えた分は、政府の恒常的な支出能力を上げていない」ということすら無視している……ということも申し添えておきます。(中央政府の恒常的な支出能力や権限に対する思い入れの無さが推し量れる、ということ)


 また、b「橋本政権下での減収」による批判も、西部先生の論に対する批判としては酷く筋違いです。何故なら、西部先生は「短期の財政規律は問題視しない」とおっしゃっているからです。
 もし、『財政規律の問題視』を根拠に「消費増税を今せねばならない」と言っている者があれば、「橋本政権の消費増税で、税収は下がったじゃないか」と反論して筋がとおります。
 ですが、『そもそも短期の財政規律の悪化を問題視していない』と言う者に、「橋本政権の消費増税で、税収は下がったじゃないか」と言うのは、これもちぐはぐと言わざるをえません。


 さらに、a「社会保障の充実のための消費増税が経済成長にしするというのは、民主党的な考え方である」というのは、「社会保障を重視するのは社会主義的で、保守にあるまじき」といった、あまりに単純な決めつけに過ぎません。
 西部先生は、「『社会保障による長期的な安定性が、経済を持続的成長させる』という議論と、『経済成長によって社会保障を安定させる』という議論は、どちらが先かは判然としえぬ『鶏と卵の関係』である」と、おっしゃっておられるのだから、「弱い人が可哀相だから」といったような左翼的ヒューマニズムとは別の次元の話であるのは至極明瞭なはずです。

(俺は、社会保障は安全保障を見るようにするのが適切だと思います。ので、社会保障についてはまた別の記事で論じたいです)




 このように、事を子細に読み解いて行けば、田村秀男先生による西部先生への批判の論理筋立ては、恐縮ながら「ほとんど滅茶苦茶」という風に、俺には思えます。

 ですが、『消費増税に反対』というだけで、その場の議論では田村先生に理があるような風体になり、逆に『消費増税に肯定的』というだけで西部先生の丁寧な議論が「老人の世迷い言」扱いされてしまうという、参院選後の異様な空気をお感じになりませんでしょうか?



 然れども、そもそも田村先生は、TPPには賛成派ですし、どちらかといえば、政府は小さく、民間市場の自由に任せていきたいという指向を持った先生です。
 ですので、少なくとも西部先生と田村先生の意見が一致しないというのは、何の不思議もないことですね。

 面白いのは(といったら失礼かもしれませんが)、西部先生のお立場に相性が良さそうな三橋先生も、ここでの議論では完璧に対立しているという所にあります。


 そういうわけで、次回は……

「チャンネル桜、『どこへ行く?参院選後の日本』7月27日の討論を振り返って検証する②(西部邁v.s三橋貴明)」

 という風にして、ケインズ的な指向の強いお二人に、どのような違いがあるかを論じていきたいと思います。



(了)


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