07 «1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.» 09

日本が日本であるために

時事、ニュース、政治、経済、国家論について書きます。「日本が日本である」ということを政治、経済の最上位目的と前提します。

 

TOP > 経済 > title - 続・チャンネル桜、『どこへ行く?参院選後の日本』7月27日の討論を振り返って検証する②(西部邁v.s三橋貴明)      
  

続・チャンネル桜、『どこへ行く?参院選後の日本』7月27日の討論を振り返って検証する②(西部邁v.s三橋貴明) 

 この記事は、

「チャンネル桜、『どこへ行く?参院選後の日本』7月27日の討論を振り返って検証する①(西部邁v.s田村秀男)」
http://shooota.blog.fc2.com/blog-entry-114.html
 の続きです。



 今回も、7月27日『どこへ行く?参院選後の日本』というチャンネル桜の討論の三時間め、消費税に関しての議論を振り返り、検証します。






 前回は、西部先生の論と、それに対する田村先生の反論を纏めていきました。そして、田村先生の反論はほとんど反論の体をなしていなかった、という事を示しました。

 尤も、西部先生と田村先生では、もともと考え方が全然違いますので、議論がてんで食い違う、ということはあるでしょう。

 しかし、今回見る西部先生と三橋先生では、考え方の相性は比較的良いはずです。
 ですから、ここでの西部先生と三橋先生の意見の違いを詳らかにするのは、一骨折らねばなりません。が、それが重要な論点を浮き彫りにするものでもあるのです。



              ・



 まずは、僭越ながらも纏めさせていただいた、この討論での西部先生の論点をもう一度示します。


1、『消費税』という税は、他の税と比べると、景気に左右されず、安定的、強制的に徴収していける税であるから、社会保障の長期的、持続的な制度を構築するのに適している。

2、デフレの時に、消費増税が消費に対して悪要因であることには一理を認めるが、一方でインフレ、デフレとはあくまで『市場』という表層的な話題に過ぎず、その市場の土台となっているはずの『社会』の長期的安定を無視して経済を論じる事はできない。

3、また、社会の不安定性は、投資、雇用、消費にも影響を与えるはずであるから、短期的な『デフレ』という問題の要因にもなっていると考えないわけにはいかない。

4、そうなると、「デフレ下の消費増税が悪影響を及ぼす」という考えの一方で、「長期的、安定的な社会保障制度を構築するために、政府は安定的な税を強制的に徴収するぜ……という所を示すという意義」に考えを及ばす必要がある。

5、さらに、日本の現状から見て『財政の規律』は大した問題になっていない。ので、『短期的なデフレ』を問題とするなら「公債を刷って、公共投資を増やす」方に重点をおくべきで、また、もしそれが十分に叶うのであれば、『長期的な観点』からは「消費税を増やして、国家における安定的な社会保障を構築する」という姿勢があっても良いはずだ。

6、加えると、長期的な国家の展望を考えた時、今まで過剰に政府を小さくしすぎたので、これからは「今よりも政府を大きくしていく」という方向性へ進むべきであるから、基本的に、税の『率』(額ではない)は増やしていくべきである。



              ・



 さて、三橋先生は、西部先生のこの筋とどう考えを異にするが故の、消費税絶対反対だったのでしょうか。

 まず、5の筋における「現状、財政規律は問題ではない」という部分と、「公債を刷って公共投資を増やすべき」という部分は、三橋先生の意見と間違いなく合致しているはずですね。
 また、三橋先生は「国家における安定的な社会保障を構築する」ことに否定的なのか、と言ったらそうでもない。
 ただ、三橋先生は、「中福祉、中負担」には賛成を唱えながらも、「それは、デフレを脱却して、インフレになったらやってください」と、こういうお立場を示されているわけです。
 或いは、こうもおっしゃっていました。
「社会保障の安定化に必要なのは、増税ではなく、増収である」
 と。

 こうした意見を、西部先生の議論と比較し、分かることはこうです。

 三橋先生は、「長期的、安定的な社会保障制度を構築するために、政府が安定的な税を強制的に徴収していく……という所を示す」ことに、『短期のデフレに対する効果』としては、そこまでの意義を感じない、或いは、増税による消費減の悪影響の方がより強いーーという風に考えておられるという事です。

 対して、西部先生は、「政府が長期的な社会保障制度の安定を担保する姿勢を打ち出す為の消費増税」であれば、長期的には勿論、短期的な問題も長期を見据える人間の心が影響を及ぼすのだから、意義を認める必要があるーーと、こういったお立場です。

 ここが最終的な結論の違いを生んでいる『分岐点』と言えるでしょう。

 この分岐点を一言で申せば、「政府によって、国家が長期的に安定していく方向を強く指し示す事が、短期の問題にも及ぼす効果の大きさ」に対する、『見解の違い』と纏める事ができると思います。



              ・



 前回も申しましたが、俺は、西部先生の意見の方に賛成です。
 ただし、三橋先生の意見も決して見当違いなものとは思わないのですよ。

 何故なら、それはやはり、「鶏と卵」=「経済成長による社会の安定か、社会の安定による経済成長か」という、問題なのであって、そんなものは人間に解明できないものだからです。

 三橋先生は、「中福祉、中負担はインフレになってからやるべき」とおっしゃることから、「経済成長による社会の安定」という順序の経済観をより強くお持ちになっていらっしゃる事がわかります。
 そして、それは一定程度正しい見解なのだと思います。
 また、これは、
「まず短期のデフレという問題を解決し、経済を成長路線に乗せ、その後に長期的な国家の方向付けて行く」
 というストーリー、筋、があるわけで、決して国家の長期的展望に無関心なわけではない……と解釈して然るべきでしょう。



 ただ、俺が、西部先生の意見に賛成するのは、「公債の増刷と財政出動」という短期の『市場』に対応する政策と、「社会保障の安定を方向付ける為の消費増税」という長期の『社会』に対応する政策は、同時に執り行っていくべきだと思うからです。

 そう思う理由は二つあります。

 一つは、三橋先生のように「まず短期のデフレという問題を解決し、経済を成長路線に乗せ、その後に長期的な国家の方向付けて行く」というストーリーはいかにも理想的ではあるものの、現実はそうは行かないはずだからです。
 だって、まずは「何をもって短期のデフレという問題が解決したとするか」という事に明瞭な基準はないのだし、短期と長期は地繋がりなんです。また、短期の問題をクリアした後、「さあ、これから長期的な事案に取りかかろうぜ」と始めようとしたって、そりゃ無理ってもんです。


 もう一つは、「長期的な国家、社会の安定へのビジョンを政府が強く指し示す事」が、「短期の経済へも強い影響を及ぼす」という話には、やはり理があると思うからです。人間は何事か先を見通して経済活動を行うわけですから、政策がおおよそ短期的なものに限定されれば、やはり金が貯蓄へまわってしまうでしょうしね。



              ・



 俺が、今になってこの討論を振り返った理由は、現実的に消費税の増税の『時期』が来年の四月と決定したからであります。

 先月はずーと「消費増税反対論のつんのめり過ぎ」を糾弾してきた俺ですが、「消費増税の時期を『延期』する」こと自体には、意義を感じておりました。
 しかし、「消費増税をしたら日本経済は終わる!」と怒鳴り散らす人がわんさか沸いていたので、現実に増税時期が決定した時、彼らはその「日本経済は終わる!」と言っていた語調をどのように整理するのだろうと、本当に疑問でしかたありませんでした。すると案の定、何の整理もつかずに、十月からの経済言論は浮遊しているような感すら覚えます。
 つまり、まさか「あーあ、増税決定したんで、日本は終わっちゃうね」と結論づける事はできないので、ついこの間まで放っていた「終わる!」という言葉はなかったことにしつつも、でもついこの間の事ですから、殆ど誰もが何も強い口調を発揮できなくなっているーーこんな状態なのではないでしょうか?


 しかし、俺は強く言いますよ。

 たかが消費税が上がるくらいで、日本経済は終わりません!

 問題は、その消費税を「どう位置づけるか」でしょう。
 せっかく、政府が長期に渡って「景気に左右されず、一定づつ強制的に徴収できる財源」を確保するという話になったのだから、今こそそれをもって長期的な国家の方向性を政府は指し示すべきだし、遠慮せず指し示して良いはずです。だって政府なんだから。
 そういった国家の方向性に、長期的な国家基盤の安定性を含める事ができれば、その基盤の上にある『市場』にとっても悪い事であるはずはないのです。つまり、それならばデフレの脱却と背反するものではなくなるということですよ。


 そして、あの消費増税反対の大合唱の中、殆ど唯一そうした筋が議論の中で論じられたのは、あの討論だけだったように思われます。
 消費増税が延期される可能性があった段では事さら着目されようもない議論だったのかもしれませんが、来年四月からの消費増税の『時期』が決定した今、この面白き討論模様をーーと言ったら失礼でしょうからーーこの素晴らしい討論をご覧になって、深く着目してみる事を強くオススメいたします。



(了)



※お読みくださってありがとうございます。少しでも記事にご賛同いただけましたら、ランキング、ツイート、Facebookなどで、ご支援いただけたら大変ありがたいです。どうか、よろしくお願い申し上げます。

また、いつもご覧くださっている方、ご支援くださる方には、重ねて御礼申し上げます。

↓ランキングの投票方法が分からない方はこちらをご覧ください
http://shooota.blog.fc2.com/blog-entry-113.html
関連記事
スポンサーサイト

Category: 経済

Thread: 政治・経済・社会問題なんでも

Janre: 政治・経済

tb 0 : cm 0   

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://shooota.blog.fc2.com/tb.php/115-ac251fe4
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)