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日本が日本であるために

時事、ニュース、政治、経済、国家論について書きます。「日本が日本である」ということを政治、経済の最上位目的と前提します。

 

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さらば啓蒙~知識と知能の限界 

 エラそうな事を言うようですが、世の中には本当にワケ知り顔で政治や経済を語る連中が多いように思えます。勿論、俺を含めて。

 しかし、識者、学者、専門家、物書き、運動家、市民……といった、政治やら経済やら時事を語る者達は、「おおよそ何も分かっていない」と評して差し支えないのです。
 何故なら彼らの個人個人は、結局は人間ですから、人間の身体的(脳の容量的や、言語、五感)な能力以上に、現実を捉えるということは出来ないからです。
 そうした人間の個人個人の能力に比較して、国家や社会は、膨大かつ複雑です。
 よって、どんなに知識を積み重ね、思考を繰り返しても、国家、社会の膨大さや複雑さに比較すると、全ての人間は「ほとんど何も分かっていない」と評して相違ない……ということになるのです。




今回は結構生意気な事を言っている気がしますが、どうかお許しいただいて、ランキングにご協力ください。
お忘れにならぬよう、押してから読んでいただけると嬉しいです。








 繰り返しますが、その「分かっていない奴ら」には、俺も含まれます。
 正直、俺は政治や経済について興味のある方だと思いますが、勉強や思索をやればやるほど「分からない事、知らない事」の多さを前に途方に暮れそうになります。

 ただ、俺は、「分からない事、知らない事」が、「この世に甚大にある」ことを知っています。さらに言えば、世の中の読むべき本、知るべきモノの量は、人間個人の寿命で到底網羅できるものではない事も分かっています。

 ですから、
「国民の一人一人の政策知性を上げ、一人一人が具体的に正しい政策的世論を叫ぶようにすれば、正しい政治によって国家が救われる」
 というような『百科全書派』的な『啓蒙』の筋立ては、空理空論甚だしいとも考えるわけです。



 対して、おおむねの識者、インテリや、少々知識をかじった小市民達は、「自分が知っている学問の範囲内だけで、国家、社会の全体を把握しうる」というように勘違いしているように思えてなりません。
 そして、自分が「国家、社会の全体を把握できている」と勘違いしている輩は、おおむね上で示した『百科全書派』的な筋で世の多数を『啓蒙』しようとするはずです。
 つまり、「国民の一人一人の政策知性を上げ、一人一人が具体的に正しい政策的世論を叫ぶようにすれば、正しい政治によって国家が救われる」と、このように考える傾向があると、糾弾しているのです。
 しかし、こういう筋での『正しい政策的世論』というのは、実は「そいつにとっての正しい主張」でしかないわけです。

 そもそも、『正しい政策的世論』なるもので政治を動かそうという話は、「政府の政策と自分の主張が一致しない奴」が叫ぶ話であります。だって、もし、そいつが正しいと思う主張が政府の政策と合致しているのであれば、「世論をもって政治を正そう」などとは思わないでしょう?
 つまり、「自分の主張が正しいのに、政治家がバカで、これを選択しない」から、「自分の正しい主張を、世論の大多数に理解してもらい、それによって政治を動かそう」という風に考えるのですね。


 しかし、世の中の「世論をもって政治を正そう」と考える奴らそれぞれにとっての「正しい主張」は、立場によって全然ちがうワケでしょう。
 だったら、その幾つもある「正しい主張」とやらのうち、どれが本当に正しいのかを判断するのは誰なんでしょうか。

 勿論、それぞれは、「自分の主張こそが正しい」と、それぞれ思っているわけです。
 よって、そいつらの言う「世論の多数が理解すべき、正しい政策論」とは、どこまで行っても各々にとっての「自分の主張」の事である……としか、言えないのであります。



 こういった、いわゆる百科全書派的態度というのは、実をいうとある条件が必要になります。
 それは、
「ある一定の知識を身につければ、おおよそ全ての人間が統一的な見解を示すほど、明瞭となる事」
 という条件です。

 しかし、政治や経済……国家や社会は、膨大かつ複雑で、到底「多くの人が統一的見解を出せる程に明瞭となる」だなんて話はありえません。
 それは、個人個人がいくら勉強し、研鑽を積んだとしても絶対に不可能です。


 まとめると、
「全ての個人個人が猛勉強をしたとしても、全体として明瞭な解答を具体的に統一させる事など、絶対に不可能である」
 ということです。

 そして、このことからも、「個人個人の思考」は「明瞭な解答」など算出しえていないことが裏付けられます。
 何故なら、もし、「個人の思考」が「明瞭な解答」を算出しえるのであれば、「全ての個人個人が猛勉強」すると、全体で解答が具体的に統一されるはずだからです。


 すると、「世の中で、政治、経済を語る輩」についても同じように、本当の所は何も分かっていない」という事も裏付けられます。
 何故なら、一応猛勉強を経て来た彼らが、何かしら「分かっている」のであれば、それらの意見なりなんなりは「正しい一つの解答へ統一されていっている」はずなんです。
 でも、統一どころか、世の言論は本当にバラバラで、秩序らしい秩序も何もあったものではありませんでしょう?



 本当に、人間の個人個人が知識や知能によって、正しい政策論なるものを算出できるのであれば、少なくとも知識を持った人達の答えは一つに集約されるはずなんです。だって、「正しい」ならば、それは一つだけのはずでしょう。

 知識を持つ者……達の解答が「一つに集約していかない」時点で、解答は明瞭ではないことが知れ、また、この明瞭でない解答の中から正解を選び取る能力は、いかなる人間の個人にもありません。


 しかし、現実では、国家において全体がひと纏まりとなって、中央政府がある一定方向の政策を打ち出さねばなりませんね。
 すると、中央政府が政策をこなすには、足りない『能力』を、『権威』と『大儀』で補わねばならないことになりますね。

 つまり、
「それが正しいかどうかは分からないが、中央政府の下、国家全体の決定として出されたものには、個々人は逆らわない」
 という大前提があってこその、『中央政府』であり『国家』だという事です。



 そうなると、逆に「人間の個々人が勉強して、明瞭にしえる範囲」を多く見積もれば見積もる程、個人はより多くの「反」を政府へ唱える事ができることになります。
 だから、「自分は分かっている、知識、知恵がある」という気持ちの強い者ほど、反政府的なんですね。


 対して、俺は、「人間の個々人が勉強して、明瞭にしえる範囲」は極めて少ないと考えますので、中央政府の『権威』と『大儀』をより重んじる事にしています。



(了)



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コメント

No title

こんばんは^^

私の苦悩に対する一つの見解を早速書いてくださったんでしょうか。
ありがとうございます^^

私はまさしくこのエントリーに書かれている「勘違い」に陥っている人間です。なるほどなるほどと、赤線を引きたい所だらけです(笑

安倍総理が進めている構造特区、TPP参加への流れに対する私の不安も、政治のことを「わかったつもり」でいたから、出てきたことになりますね。。。いつの間にか(いや元々そうに違いない)驕っていたなんて、私は恐ろしい人間だな、と思ってしまいました。

色々と考えさせてくれるこのエントリー、何度も読み返さないと。

本当にありがとうございます!

りょうすけ@政治初心者 #X.Av9vec | URL | 2013/11/10 23:52 [edit]

Re: No title

りょうすけ様、こんばんは!


 今回の記事は、お察しの通り、りょうすけ様のコメントを念頭に置いたものです。しかし、俺は、りょうすけ様が「驕っている」などとは全く思いません。

 りょうすけ様は、しきりに自身には「知が足りていない」とおっしゃっておられますね。ただ、その一方で、「知の足りている人間」が世の中に存在しうると考えておられるようにお見受けしたのです。
 そして、俺がりょうすけ様に分かっていただきたいと思ったのは、政治について「知が足りている人間」など存在しない……ということなのです。

 つまり、りょうすけ様の謙虚な姿勢は素晴らしいと思いますが、「りょうすけ様以外の、世の中で政治を語る者」の言うことも、所詮大したものではない……という事も念頭に置いて欲しいと思うのです。


 俺も、正直言って、「安倍内閣の、解雇特区やTPP参加への流れ」は気にくわなくて仕方ありません。

 しかし、この指向とて、そもそも「個人個人の思考によって選び取られた世論」とか「知識人の理屈」から、生じた毒であると考えるのが適切だと思っています。

 つまり、新自由主義と同時に、民主主義の問題が含まれているので、この問題は厄介なのです。
 今回の記事は、「新自由主義についての問題は、民主主義の問題を無視して語れない」という事を述べる第一歩としての位置づけたいと思っておりますので、またいらっしゃってくだされば嬉しいです。

後藤真(おーじ) #- | URL | 2013/11/11 00:32 [edit]

No title

こんばんは^^

私のコメントを念頭に、後藤様にわざわざ時間を割いてエントリーを書いていただいたなんて、恐縮するやら恥ずかしいやら。。。
でも。嬉しいです。本当にありがとうございます。

「政治について「知が足りている人間」など存在しない」

後藤様からそのような考えを聞かなければ、知り尽くせない自分に一生悩み続けていたと思います(笑
以前、後藤様がおっしゃったように、それを自覚した上で
「明瞭な解答へ向かっていく意志だけは、持ち続けていく」という姿勢を大事にしていけたら。。。



「新自由主義についての問題は、民主主義の問題を無視して語れない」

凄く凄く興味の湧くテーマです。いつかこのエントリーを拝読できる日を楽しみにしております^^

「愛国心について」のエントリーも自分なりに解釈できてからコメントさせてください!


どのエントリーにも言えることなのですが、何度も読み返したくなる、読み返している。そんなブログに出会ったのはジャンル問わず、後藤様のブログが初めてです。凄いブログです。

りょうすけ@政治初心者 #X.Av9vec | URL | 2013/11/12 02:38 [edit]

Re: No title

りょうすけさま、お返事ありがとうございます!


 俺としては、りょうすけ様に書くべきテーマのヒントいただいている感じですので、お礼申し上げなければならないのは、こちらのほうです。

 おっしゃるとおり、その意思を失ってしまうと、よくない懐疑主義に陥ってしまうので、俺も無知の自覚の上で、正しいものへ向かっていく意思を持つことだけは忘れないようにしたいです。

 何度も読み返していただいているとの事で、大変うれしいです。
 俺は、自分の記事をあまり読み返したりはしないので、もし何かお気づきになったことがあれば、遠慮なくおっしゃっていただけるとありがたいです。

後藤真(おーじ) #- | URL | 2013/11/12 16:41 [edit]

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