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日本が日本であるために

主に政治、経済、時事、国家論についてなどを書きます。日本が日本である、ということを主軸に論を展開していきたいです。

 

さらば、反・権力 

 今日は論理というより、少し感情的な事を。

 俺がこの世で本当に気にくわないのは、いたずらに政府や、政治家や、官僚や、既得権益を『権力』と設定して、それに対して文句を喚き散らす輩です。

 つまり、『個人の思考、理屈』による『反権力』というものが、俺は大嫌いなのです。



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 俺は、感情的に、『反権力』が嫌いです。

 その理由は沢山ありますけれど、まず、「反権力を述べたてるのは至極簡単だから」というものがあります。
 中でも、「政府に対する批判」なんて、本当に簡単です。なんだってやれますし、とにかく請求していればいいのですから。


 たとえば、ある人が政治や経済に関して、文章を書いたり、議論やスピーチをする事となったとしましょう。やったことのある人は分かってくれるとは思いますけれど、これは結構難しいんですよ?
 ただ、こういった際、最も簡単な筋立てはこうです。

1、何か社会問題を取り上げる。
2、これに対する解決方法を提示する。
3、政府に対してそれを請求して、その不備を糾弾する。

 これで一丁あがりです。(順序は不同でも可能)
 これなら、多分高校生でも出来ます。

 こういう論法は、「国家の全体を統治する政府に対して、一側面の観点に立って請求している」のだから、本当はガキが親におねだりしているのと変わらないワケですけれど、一見賢そうに見えるものです。
 その上、こんな論じ方は至極簡単ですから、やれる奴はやれるし、「賢いね、賢いね」と周りがチヤホヤしてくれます。人間、そうやってお手軽にチヤホヤされたら嬉しくなっちゃうものです。

 ただ、そうすると、そいつが何事か論じている際の本当の動機は、「チヤホヤされたいから」ってことになるでしょう?
 勿論、そういう風には自分でだって思うワケにはいかないでしょうから、「人権のため」とか「国のため」とか、色々自分の中に言い訳をこさえるわけです。


 まあ、そこまで行かなくとも、結論やよく分からない所に「政府批判」や「権力批判」を添えれば、何か書けたような気分になる……という所は、間違いなくあると思います。
 そういう風に、誤魔化しに『反権力』を述べ立てる態度が、まずをもって俺は気にくわなくって仕方がないのです。しかも、おそらくそれは、無意識にやられている誤魔化しであるから、余計に厄介なわけですよ。



 現状にこれを当てはめて考えると、たとえば、安倍政権が樹立された時、「自民党ではなく、安倍晋三を支持する」という風に述べ立ててきた『保守っぽい』連中は、実は「自民党や官僚」を「権力」と設定して「反」を述べていたわけです。

 よく考えてみれば分かりますけれど、ただ単に「安倍晋三を支持する」とやると、これはとても難しい。
 しかし、そこに『権力(悪者)』を設定して、相対的にそれを『打ち破る者』として支持するならば、簡単に論理になります。

 さらにそういった簡単な論理は、簡単であるが故に大量の個人に受け入れられる理屈になるわけです。
 何故なら、「権力の中にどこか悪い奴がいて、そいつらを懲らしめれば、世の中がよろしくなるはずだ」というストーリーほど分かりやすく、多くの小市民に受け入れられる理屈はないからです。

 つまり、それは、「難しい世の中を何とか解きほぐして論じる」という面倒な作業を放棄して、「難しい世の中を権力(悪者)を設定する事で単純化する」というお手軽にチヤホヤされる論理に走る態度であるワケですから、言論における『酷い怠慢』と評さざるをえないのです。


 それに、そういう「少数の強者を、大量の小市民が寄り集まってイジメる」という薄っぺらな反権力の指向で形成された『大量の数』は、確実に、あっちに行ったりこっちに行ったりと、右往左往を繰り返すに決まっているのです。

 たとえば、もし、「安倍晋三」も「権力(悪者)」の一部だという風潮が出来れば、そういう方向に流されるに決まってます。
 何故なら、元々、大量な数が、単純かつ薄っぺらな反権力によって行動していたのであるなら、それはその時々、個々人の感覚で「彼は権力(悪者)かどうか」を好みによって判断していたに過ぎないワケですよ。



 要は、「安倍首相は、戦後レジームを打ち破る為に、権力(自民党や官僚)と戦う愛国の徒である」と考える輩と、「安倍首相も、新自由主義で民を虐げる権力(悪者)の一部である」と考える輩も、結局同じ穴のムジナであると糾弾したいのです。

 だって、どちらにせよ、「権力(悪者)を設定して、それを叩く」という論法は一緒なのです。

 そうした論法は、まず「道義的にいかがなものか」と思います。
 しかし、もっと言わせてもらえば、それは「難しい事を、何とか解きほぐす」という事に耐えきれず、「難しい事を、反権力の単純なストーリーにのせる」という風に、より楽ちんな方に流されているだけだ……と、俺には感じられるのです。

 さらに、たとえばもし、そういった反権力の指向で新自由主義が淘汰されていったとしても、それがごく単純なストーリーに乗った多数の熱量であるなら、確実にろくな事にはならないだろう……という警鐘も鳴らしておきたいと思います。



(了)


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Category: 政治

Thread: 政治・経済・社会問題なんでも

Janre: 政治・経済

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コメント

No title

こんにちは。

よく観察していると無自覚の「反権力」思考法というのはあちこちに見られますね。
民主党政権なんか自らが政府・与党の座にありながら見えない敵=彼らの頭にある「権力なるもの」と闘ってるみたいで滑稽でした。

>「権力(悪者)を設定して、それを叩く」という論法は一緒

これって何だか階級闘争史観そのものですよね。
自分で保守だと思い込んでいても知らずマルクス史観に捉われているってすごく皮肉です。
(私自身もその傾向がちらほら出てきていないか自信無いです)

無自覚の「反権力保守」に対しては2ちゃんでは「カンリョウガー、ジミンガー」の書き方でからかわれたりしてますね(笑)

紺屋の鼠 #4TUF.cSM | URL | 2013/11/17 13:12 [edit]

Re: No title

紺屋の鼠さま、いつもコメントありがとうございます!


民主党に関しては、反権力が権力を握ったら、もう反抗する権力がなくなるという、冗談みたいな話だったんだと思います。
でも、民主党にしたって、民主党そのものがまずかったというよりは、あれも国家全体の病理と言うべきなのだと思います。

階級闘争もそうですけれど、国の中で同士討ちをやるような具合の話は、おおよそ不毛なのだと考えて差し支えないのだと思います。

後藤真(おーじ) #- | URL | 2013/11/18 07:54 [edit]

No title

こんばんは^^

今回のエントリーも深くて思考を刺激されます。
私も政治に興味を持ち始めたここ一年ほど、無自覚なまま「反権力」側に立っていたと思います(いや、まだ過去形にするほど自分は賢くない)
そうでありながらも後藤様のおっしゃることが、なんというか理屈より先に感覚として受け入れられる気がします。
理屈で納得できるほどまだ自分には知識がないため、心の奥底で真理に近いものを感じる、とでも言うんでしょうか。。。
こう上手く言えなくてもどかしいですが(汗

政治論議に花を咲かせる方々に是非読んでいただきたいエントリーです^^

りょうすけ@政治初心者 #X.Av9vec | URL | 2013/11/19 00:46 [edit]

Re: No title

りょうすけ様、いつもコメント嬉しいです!

 俺とて「反権力」という権力に反抗している……という意味で反権力なのかもしれません。
 また、個人が反権力の心根を抱いてしまうのは、どうしても生理現象のような仕方のなさもあるのだと思います。
 しかし、少なくとも反権力に陥る事を恐れていれば、自分の立場を越えての批判、大儀の無い批判を、多少なりとも抑制できるんじゃあないか、と俺は思ったりしています。

 あと、りょうすけ様と共有できる論理のあることが、俺にはとても勇気づけられます。
 いつも丁寧に読んでくださってありがとうございます!

後藤真(おーじ) #- | URL | 2013/11/20 00:20 [edit]

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