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日本が日本であるために

時事、ニュース、政治、経済、国家論について書きます。「日本が日本である」ということを政治、経済の最上位目的と前提します。

 

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特定秘密保護法案について 

 最近、テレビやラジオ、新聞やらでよく『特定秘密保護法案』についての話がされているのを聞きます。
 正直、俺は、個人的にこの法案に対して大した興味はありませんでした。つーか、今もあんましありません。
 こういった問題は政府と国会の議論に任せるのが筋であって、政府外の人間がギャーギャー文句をつけるべき領域ではないと考えるからです。

 ですから、これに関しての俺の不満は、「この法案が、世論の議論の上で過剰に取り扱われていることそのもの」なのです。

法案:http://tamutamu2011.kuronowish.com/himituhogohouann.htm



今回は「特定秘密保護法に反対だ!」という人には、無理にと言いません……が、特にそうでもないという方はランキングにご協力ください。
お忘れにならぬよう、押してから読んでいただけると嬉しいです。




 そもそも、基本的に「政府が『特定秘密』を管理し、保護する」という話において、秘密にされる側の一部である『大衆』にどうこういう言う権利があって良いはずがありません。
 だって、秘密にされる側(衆俗)が、自ら「秘密にされ方」を設定するなど本当に冗談のような話でしょう。当然、基本的に、それは秘密にする方(政府)が「秘密の仕方」を設定するに決まっているのだし、それで良いのだし、そうあらねばならんのです。当たり前じゃあないですか。

 また、『中央政府』というものが「防衛、外交に関する国家機密を漏洩した者を罰する」なんて程度の権限を有していないのであれば、政府には「国際関係調整……軍事、外交を代表して行う責任」がないということになってしまいますでしょう?
 だって、『責任』は『権限』が与えられていてこそ生じる……という面があるわけです。ある程度の『権限』も委託しないままに『責任』だけを押しつけられるだなんて、そんな都合の良い存在はありえません。つーか、何故、『政府』に対してだけそんな都合の良い存在である事を求めて、何ら恥じ入る事がないのか……
 その都合の良い理屈、都合の良い脳内構造、都合の良い倫理は、まるで13歳のガキが全てを親のせいにして、家のあれそれへ何事にも協力せず、自分が守らるる権利だけは一丁前に請求しにかかる様に酷似していて、しかもそれがそこそこの社会的立場のある大人達のモノ言いであるというから、その、中年オヤジがランドセルを背負うようなグロテスクさには目を覆う他ありません。



 本当はこの『常識』だけで、ジャーナリズムなどという有象無象は、この法案に対してあれやこれや言って良い立場にないーーということを示すのに充分というもの。

 ただ、そう言っても、「そんな事を言ったら、『国家機密』とか言っておきつつ、時の諸大臣が何でもかんでも秘密にしてしまう可能性がある」というような疑いを述べ立てる連中を黙らせる事はできないでしょう。つまり、「権力者は、国家機密と銘打っておきつつ、不当な秘密保護をやるに違いない」というストーリーのことです。
 俺、こういう考え方は虫酸が走るほど大っ嫌いなのですが……まあ、これには一理を認めないワケにもいかない、とも思います。

 しかし、これは結局の所、非常に具体的な政策の論議になるわけです。例えば、どのような漏洩を想定し、期間や、監視体制や、非常に複雑な法律の文言や、政令への反映の仕方など、かなり具体的、専門的な話にならざるをえませんでしょう。
 そういった、具体的、専門的な話を、代わりにやってもらうために選んだのが国会議員なのです。

 つまり、「不当な秘密保護を可能な限り減らす対策」は、政府(内閣、官僚)が、議会(国会議員)と議論して詰めていく領域であるわけです。
 また、「具体的政策論を、議会で議論する」と予め決まっているからこそ、『個人個人の勝手な主張』は排除でき、国家全体における議論の秩序が保たれうるーーというのが『代議制』なわけですから、そこに、何処の馬の骨だか分からないジャーナリズムなんぞが入り込む余地は、ほぼ無いといって過言ではないのです。


 勿論、そうやって政府と議会の議論において決定した法律でも、『不当な秘密』が設定される可能性はありますけれど、そりゃあ完璧なシステムなどこの世に存在しないのだし、今のように罰則規定がなくたって『不当な秘密』は設定される可能性はあります。
 つーか、政府と言うものを人間が構成している以上、どのような状況でも、『不当な秘密』は「まあ、幾ばくかはあるであろう」と考えるのが妥当です。勿論、それでもその『不当なるもの』を減らして行く意志は必要ですが、『不当なるもの』の根絶のために『必要なもの』を設定しなかったり、なくしたりするのは、本末転倒甚だしいというもの。


 例えば、現状、日本はアメリカの属国であるわけですけれども、「現状行われているアメリカによる内政干渉は、出来うる限り公表されていていなければならない」という切実な問題があります。
 有り体に言えば、少なくとも『年次改革要望書』のように、「アメリカの指令に従って内政、外交を行っている国家の状態」は、明瞭に晒されていなければならない、とおおよそ考えられます。
 何故なら、「内政を干渉されている事を意識しつつ属国をやる」のと、「内政の干渉を意識できないままに属国をやる」のでは、ここに大きな差があるからです。

 しかし、米軍の核兵器の持ち込みに例をみるがごとく、「漏らした者が罰則を受ける受けないの法律の有る無し」にかかわらず、秘密は秘密として設定されてしまうのが属国の属国たるが所以であるわけです……
 さらに、件の米軍の核兵器持ち込みなんてのは、おおよその大人は知っている『公然の秘密』でした。すると、「属国的立場を秘密として設定するということを、政府が政府の権威と建前を確保するために行う」だなんてことは、戦後の属国民は暗黙のうちに了解していたわけでしょう。もっとダイレクトに言えば、「屈従を、実のところ屈従と知りながらも、政府によって秘密にされていると嘯くことによって、無辜の民を装いつつ自分ら一人一人の生命の安全だけは確保してきた」わけです。

 そこまで、属国民の、属国民による、属国民の為の、属国を演じてきた、我らが誇り高き日本属国民が、あたかもそれまで立派に独立してきたかのごとく「政府が、アメリカへの屈服を秘密にする可能性がある」と騒ぎ立てるのも、ある面では「滑稽極まりない」と言わざるをえません。


 要は、「政府が、アメリカへの屈服を秘密にする」という話は、「国家機密漏洩に罰則を与える、与えない」という話の遙か以前の話である、と言いたいのです。

 少なくとも、ジョージワシントンの浮かぶ東京湾の制海権すらままならぬ苛烈に悲壮な現状を踏まえつつも、それでも少しでも「屈服を減らし、屈服についての秘密も減らしていく」という態度こそ必要である……と考えるのであれば、それは高度な政治的判断や政治的妥協が求められるわけです。

 そういった高度な政治的判断や政治的妥協においては、おおよそ大衆による世論の出る幕はないのです。
 あるとすれば、「我々は独立民でありたいので、その辺どうかよろしくお願い申しあげます」と、自分らが中央に送り出す代表(国会議員)に重ねて意志を示す……という道徳的かつ抽象的な領域についてまででしょう。




 さて、また、全然別方向から、「一色さんの尖閣ビデオ流出のように、憂国の徒によるリークについても、過酷な罰則が課されてしまうのは、忍びない」あるいは、「憂国の徒が、罰則に怯んでリークが行われなくなる可能性がある」という声も聞こえてきます。

 しかし、そもそも、どんなに正当と思われるようなリークであっても、「それは漏洩である時点で何割かは罪である」ということを認識しないリークなど、憂国的リークなどと呼べるはずもありません。
 つまり、「罪を背負い、罰を覚悟してのリーク」であることが憂国的リークの絶対条件であり、そこに罪も罰も引き受ける覚悟のないリークなど、内容的にはどんなに正当に見えるリークであっても愉快犯に過ぎないのです。
 また、そう考えなければ、憂国的リークと愉快犯の違いをどう区別するのだ、という問題が出てくるでしょう。




 この『特定秘密保護法案』の件に関して俺は、「アメリカに対して、『我々は国家機密の保護の法整備を整えていますよ』という所を示して、情報の共有と同盟の強化をお願いする」という色合いのある事は、気にくわなく思っております。

 ただ、実際の所、「アメリカの要請によっての、日本版NSCの設置と特定秘密保護法」なのか、「アメリカの要請にかこつけての、日本版NSCの設置と特定秘密保護法」なのかは、判断し難い所があるわけです。
 そういったイチ平民には判断し難いところにおいては、自分がいたずらにあれこれ申し立てる領域にはない……と俺は考えますし、おそらく政治や経済に関心など持たず、常識的に日々を暮らしている日本人の多くも、おおむねそんな風に感じているのだと思います。

 しかし、そういった国民のサイレントマジョリティ(声無き声)ではない、一部の声のデカい『ジャーナリズム』や『市民』などが執拗なる特定秘密保護法案に対する反抗をしているのが現状なわけです。
 あたかも『ジャーナリズム』や『市民』が国民を代表しているかのごとく、国民の『知る権利』とやらを請求しているわけですが、おおむね、それぞれの国民は『知る権利』など欲してはいません。普通の国民は、普通にそれぞれの産業で働いたり、家をやりくりしたり、そういう日々の関心事にしか興味はないし、それで良いんです。

 そうなると、ジャーナリズムや市民の言う、『知る権利』と『人民による統治』は、『ジャーナリズムや市民が知る権利』と『ジャーナリズムや市民による統治』の事でしかなく、それを勝手に『国民』と名乗り、詐称しいているに過ぎないのです。

 つーか、ジャーナリズムや市民などという、何処の馬の骨だか分からん奴らに「国民を代表する権限」を誰が与えたというのでしょうか。片腹痛いとは正にこのこと。



 俺が、ここで最も言っておきたいのは、「特定秘密保護法案そのものについて」というよりは、『知る権利』や『人民による統治』=『直接的な民主主義』などというのは空理空論であるという当たり前の話であります。

 何故なら、特定秘密保護法案自体はおそらく通るのに決まっているのに、何故こうも反発する輩がわくのかと言えば、この先の『知る権利』や『直接的な民主主義』における、社会的な地位を確保しようという意識があっての事なのだろう……ということは容易に察する事ができるからです。

 そうなると、『特定秘密保護法案』という具体的な法案に対しても、次のような本質論を展開する必要がでてきます。

 それは、

「人民の一人一人に、政治へ直接的、具体的に意見する権利はなく、それが故に政府における全ての情報を人民の一人一人に公開する必要もない」

 ということです。


 特定秘密保護法案の反対は、それそのものを阻止される危険性より、「『人民主権』には『知る権利』が必要」という理屈を補強されるという危険性があるのです。
 ですから、再確認として、『民主主義』という主義(イズム)への否定的な態度をこそ、この議論には求められるのだと考えます。



(了)


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コメント

No title

かねがね自分の思ったことと似たような意見でした。

あと報道を見ていて面白いと思ったところは、マスコミ自体がその秘密を公開するか否かの権限を持っているという事です。正に"報道しない権利"です。彼らこそ第三者機関が必要という、控えめに言っても凄まじいブーメランです。

さらにマスコミにも重ねて、国民は伏せられた秘密を答えさせるための質問を知らないのです。何を秘密にされているかさえ分りません。ですので、法案成立前の秘密でも、国民は何と聞けばこれを知ることが出来るのかがわからない。つまり現状は殆ど変わらないものだと思います。

当エントリの概要からは少なからず逸脱した趣旨のコメントをお許し下さい。

ななしA #- | URL | 2013/12/01 00:51 [edit]

Re: No title

ななしA様、コメントありがとうございます!

 ご賛同いただき、恐縮です。

 報道する、しないの恣意的な選択……そして、報道されないものは知らないので何と聞けば良いか分からない、というのは確かに一面を言い当てているように思います。

 そうなると、そもそも「人間に全ての情報を掴む事はできない」ので、社会の中で「情報を知らしめる連中」が出てこざるをえないのだから、国民の一人一人の知る権利など担保できるはずもなく、担保できないものを担保できるという前提で話をしている時点で極めてナンセンスなのでしょう。
 そして、担保できないもの(知る権利)を担保できると嘯きながら、「国民の一人一人が、公開された情報に基づき政策的判断をして、具体的な世論の多数が政治を動かす」という空論(民主主義)を肯定するのは、甚だ偽善的で欺瞞的である……という風に、当記事の趣旨と繋げてみたのですがいかがでしょうw

後藤真(おーじ) #- | URL | 2013/12/03 11:57 [edit]

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