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日本が日本であるために

時事、ニュース、政治、経済、国家論について書きます。「日本が日本である」ということを政治、経済の最上位目的と前提します。

 

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3月7日(遡ってソチ五輪、浅田真央) 

 そういえば、先月、冬季オリンピックが行われましたね。
 私ほとんど見ていないのだけれど、最初と最後のフィギュアのシングルだけは見ました。これは妹の影響で、フィギュアスケートは結構見るのです。


 男子の羽生選手の金メダルは確かに素晴らしい出来事でした。彼の見かけによらない闘志とド根性には、いつも心が熱くさせられるというもの。
 ただ、やはりそれ以上に女子の浅田選手の渾身の試合に心動かされる所が大きかったように思います。
 この感動の凄いところは、浅田選手が順位としては六位入賞に過ぎなかったという所にあるでしょう。いや、そうは言っても、これは別に「参加する事に意義があるから」とか「一生懸命やったから」とか、その他の安っぽいメッセージ性によってされたものでは決してありません。
 この感動は、ただ浅田選手がその天才をもって、複雑な諸々を完膚なきまでに圧倒した……という情景そのものにありました。


 ところで、今シーズンの浅田選手のフリー・プログラムでの曲は、ラフマニノフのピアノ協奏曲第二番であります。この曲はあまりにメジャーな名曲であると共に、また、次のエピソードもよく知られているものです。

 ラフマニノフは少年期より神童で、ピアノ、指揮、そして作曲でその天才をいかんなく発揮した人物です。ですが、ピアノ協奏曲第一番という曲を作ってそれが演奏された折、評論家からボロボロに酷評され、自信を失ってしまいます。その後、彼は曲が書けなくなってしまうのです。
 しかし、ラフマニノフは実に四年の時をかけて精神を回復させ、ついに大作を書いて作曲に復帰します。それが、ピアノ協奏曲第二番なのです。

 天才というのは、天才というだけで何かしら粗探しをされ、寄ってたかって好き勝手言われるものです。
 天才とて人間ですから潰れてしまう者の方が多いのでしょう。しかし、天才が、その天才をもって諸々を完膚なきまでに圧倒するという美しい出来事は、実在するのであります。それは、この大量の醜き世界から蒸留した一滴の澄んだ真水のごとく、私には思われるのです。



 浅田選手のフリー・スケーティングは、まさにラフマニノフのそれでした。


 あの、見るからに複雑で、厄介なシガラミが多分に含まれている事のわかる採点競技において、街の連中は浅田選手の試合がある度に、ああでもないこうでもないとナンセンスな文句を付けてきたわけです。今回のソチ・オリンピックでも、世の中では森元首相の発言がやたらめったら叩かれていましたが、街の人々が語っていた浅田選手の失敗はもっともっと好き勝手な事をのたまっていたように思えますよ。(そして、これは今に始まったことではないのです)
 街の中で、道の端で、電車やバスの中で、飲食店内で……それも、揃って同じような事を言うのです。やれ、「キムヨナよりスピード感が無い」だとか、「トリプルアクセルを無理してやる必要はないんだ」とか、「あの娘はプレッシャーに弱すぎる」だとか、訳知り顔で。
 しかも、それは絶対にナショナリズムの裏返しなわけです。自分達が優秀な代表選手へナショナルな期待をかけていたからこそ、打ちひしがれ、失望していたのでしょう。その事を認めて失望しているのならまだしも、お隣の発展途上国の選手の事も寛容をもって祝福しています……といったような風体をとって、自分はナショナルなモノに過剰な思い入れを込めてなんぞおりませんと取り繕う様は、おおよそゲテモノの類の食材がウヨウヨと蠢くごとくであると評して差し支えのないものでしょう。


 スポーツにナショナリズムを持ち込む事は大いに結構なのです。が、その取り繕い方、裏っかえり方があまりに汚らしく身勝手だと私には思われるのであります。
 オリンピックやワールドカップについては、この種の類の人々の身勝手な論評が、いつも私を陰鬱な思いにさせます。政治・経済と違って、人々そのものが憎くてたまらなくなるのです。


 しかし、浅田選手の圧倒的天才は、金メダルを取っていないのにもかかわらず(人々の都合の良いナショナリズムを充足させていないのにもかかわらず)、試合内容だけで人々を圧倒してしまいました。

 この様が、私にとっては感動的でたまらなかったのです。
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