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日本が日本であるために

時事、ニュース、政治、経済、国家論について書きます。「日本が日本である」ということを政治、経済の最上位目的と前提します。

 

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工作員の限界 

 今回から「工作員の限界」というテーマで数回記事を分けてアップします。どうぞご覧くださればと存じます。

 そういえば先日、「ASREAD」という言論サイトに『日本国憲法の諸問題――自由への懐疑』という記事を寄稿させていただきましたので、そちらもご覧くだされば嬉しく思います。ASREADはとても素晴らしいサイトですので、私の記事を抜きにしても足をお運びいただいて損はしないと保証いたします。(リンクにありますのでそちらからどうぞ)



 それでは、「工作員の限界」というテーマを……
 尚、当サイトをご覧いただく際にはランキングにご協力ください。お忘れにならぬよう、押してから読んでいただけると嬉しいです。




遺跡


 昨今、外人の「工作員」が、ある方向性で問題視されてきています。概して言えば、
「チャイナや韓国が工作員を用いて日本を食い物にしている」
 と、こういう話がまこしやかに囁かれるのを聞くわけです。

 もちろん、この事は何割かは本当の事でしょう。
 また、戦後の日本では、外国勢力の息がかかった工作員を排除する体制があまりに脆い(というか無い)というのはその通りだと思います。ですから、国民は多少の身を切ってでも「工作員を取り締まる法」を、しっかりと構築していくべきだと思います。


 しかし、これにもゆき過ぎは弊害があるというもの。
 とりわけ、あまりに陰謀論めいた話が跋扈するまで、兎に角「工作員」のせいにしてしまうといった一部の風潮には、私は反対です。

 察するに、そうした徒輩は「工作員も人間であること」を忘れているのではないでしょうか。いや、これは別に、「工作員も人間なのだから可哀想だろ!」と言っているのではないのです。「工作員も人間である」という理解が欠けていると、「工作員が出来うる事の『限界』」というものへの想像力が欠ける、とい言いたいのであります。




 まず、「工作員が成しうる影響以上の領域を、工作員のせいにする態度」を、私が問題視する直感的な理由からお話します。
 それは、これが「工作員さえいなければ、我々の民主主義は上手く行っていたはずだ」という前提の上で話されている理屈だからです。

 つまり、皆、現在の日本の状況があまり好ましいものではないとは、思っている。
 対して、「我々は政治の民主化に絶え間ない努力を行い、それによって経済を自由にしてきた」という自負があるのでしょう。つまり、政治家や官僚に対して文句を言いつつも、日本の社会が極めて民主的で、自由なものになっていることを一方では自覚しているのです。
 そして、皆、「我々はこんなにも自由かつ民主的に日本の国を運営しているのに、何故、全体として没落しているのか」という理由が分からない。
 すると、こう思うのです。
「そうか、我々日本人が日本の国をごく自由で民主的に運営しても上手くいかないのは、外国の勢力が邪魔しているからに違いない」
 と。

 しかしこれはどう考えても不自然な思考回路ですよ。
 何故、「日本の没落は、民主化と自由化が間違っていたからだ」と自然に考えないのか。
 外国の工作員なんぞより、日本国民全体の思考形態の方が、ずっと日本の国の良し悪しに影響を及ぼしているに決まっているではないですか。
 そして、この日本の様を作り出してきた原理原則は、「民主主義」というやつなのですから、第一に、「日本人による民主主義が失敗している」という事を認めてもらわないでは困ります。

 もちろん、外国勢力の工作員が日本の没落に寄与した役割は小さくないでしょう。しかし、その領域……工作員が日本の没落に寄与している領域を大きく見積もれば大きく見積もるほど、「日本人による民主主義が失敗している」ということを認めずに済むという論理的関係性がある。
 換言すれば、工作員が成し得る領域を大きく見積もれば見積もるほど、今の日本人は、「愛国」を唱えつつも「自由」と「民主主義」を手放さずに済むという案配なのです。



 外国勢力の工作員を取り締まる法の重要性を唱える事については諸手を上げて賛同します。
 ですが、日本国内で工作員が成し得る事には人間の能力という限界がある事が分かられていなければなりません。というか、過剰なる工作員への関心は、平民による民主主義の失政をそれらに押しつけようとする欺瞞からきているのではないかと、疑ってかかるべきなのであります。



(つづく)
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