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日本が日本であるために

時事、ニュース、政治、経済、国家論について書きます。「日本が日本である」ということを政治、経済の最上位目的と前提します。

 

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【番外】前回記事にいただいたコメントへの反駁 

 今回の記事が、前回の記事で「空き地さま」という方からいただいたコメントに対する返答として書かれたものであることを読者に知らせておくことは、必ずしも無益ではないでしょう。
 コメントとして要点を書き始めていくうちに、長くなり、次記事で述べようと思っていた事に随時言及する形となったので、記事として掲載致しました次第でございます。
 議論に乱暴な所、端折った所などございますが、どうかごらんいただければと存じます。


 リフレがどうしても好きでたまらない……という方には無理にとはいいませんが、そうでもないという方はどうかランキングにご協力ください。お忘れにならぬよう、押してから読んでいただけると嬉しいです。





サクラダ




前回記事「2.藤井聡教授V.Sリフレ派(マンデルフレミングモデル)」
http://shooota.blog.fc2.com/blog-entry-186.html


空き地さまよりいただいたコメント http://shooota.blog.fc2.com/blog-entry-186.html#cm


 これに対しての反駁を、以下の8点に纏めました。


1、小渕政権、麻生政権での円高が、財政支出によるものだとする所までの筋がわからない。円高の要因で最も考え得るのは民間部門の輸出超過のはず。(あるいは、金融緩和が足りなかったんじゃあないでしょうか?)


2、もし、「空き地さま」に孫引用いただいたhttp://ameblo.jp/typexr/entry-11717184761.htmlで飯田氏の言うように、マンデルフレミングやクラウディングアウトが現実世界では決済と共に徐々に立ち現れるものだとするならば、その時間差での金利高はいつあったのか不明。
 実際に時間差の後に立ち現れなくても、金利高圧力が水面化ではあったのだ……という論法が成り立つなら、どんな理論を下にしようが、何を言おうが良いことになってしまう。
 また、引用元のブログ主は、自分ではなんら理論を説明したり、自分の意見を提示したりしていないで、単に飯田氏の文章をそのまま長文で引用しているだけのくせに、悪口だけは上等なようである。このような文章だけは書きたくないものだと、肝の冷える思いがさせられたというもの。


3、もし仮に、麻生、小渕政権の財政出動が、「決済と共に次第に金利上昇が起こるだろうという予測」を海外の投資家にさせ、予算の発表時に円買いが集まり、円高が起こった……と、相当無理矢理に解釈するのであれば、それは海外の投資家が間違っていたということになる。事実、時間差を置いても金利はいつまでたっても上がらなかったのだから。
 その上でまだ、政府は「海外投資家の中で前提とされているだろう経済モデルによって決定される投資家マインド」を予測して、政策を決定せねばならないのか。かしこくも天皇陛下を戴く我らが中央政府は、この歴史と伝統ある日本国をそんなフワフワしたものに媚びて統治せしめなければならないのか。


4、マンデルフレミングやクラウディングアウトは、「政府支出の増大そのものが金利を上げる」とは示していなくて、「政府支出の増大によって、貨幣需要が伸びるから、金利が上がる」と示している。それならば、焦点は財政出動の規模ではなく「公債による資金の吸い上げ」あるいは「予算成立時に予想しうる、公債による資金の吸い上げがどれほどになるかという予測」であるはず。ならばそもそも焦点は財政出動そのものではなく、政府支出の規模全体か、公債の発行額にあてられるべきである。というわけで、小渕政権や麻生政権を焦点とするのは、マンデルフレミングの「仮説ーー演繹」を検証する筋に合っていない。何故、公債発行高のより高かった政権の円相場に焦点をあてないのか?


5、そもそも円高は必ずしも問題ではないし、輸出が円高によって減ることなどある程度問題ではない。
 輸出は「国内で産出不可なものを輸入をするため」にあるのであって、別に輸出を増すことそのものに大した意義はない。
 勿論、経常赤字はよろしくないが、大幅な黒字貿易をもって「需要」を取り込んでも別に『国力』は上がらない。
 需要を海外に求めるのではなく、恒常的、長期的に政府の公的需要を増やし、その土台の上で国内の閉鎖性を担保し、国内で多様な産業と各地域経済の保全をもって安定性を確保しつつ、需給バランスを均衡させ、内部の経済循環を活発化させていく方向を向くべき。「イノベーションを喚起するグローバルで自由な投資環境」を整えるよりも、「国力を強くする環境」を整える方が、よほど大事なことなのだから。
(ここが、私の論で最も主張したいところですから、次かその次でもっとじっくりと)


6、空き地さまは、「リフレ派は、マンデルフレミングで『金融政策無効論』を反駁しているだけで財政政策を否定しているわけではない。被害妄想だ」とおっしゃるが、金融政策無効論を反駁したいだけなのであれば、マンデルフレミングを持ち出す必要はない。ISーーLM分析で十分すぎるほど十分なのである。
 わざわざそれを解放経済に拡張したマンデルフレミングを持ち出す時点で、「政府支出という国内需要」より「民間輸出による需要取り込み」を重視する事を前提に話を進めようとする恣意がある事を、誤魔化すことはできないはず。それを誤魔化せると思うのは、「どうせ経済理論なんて分かってねえ奴の方が多いはずだ」とタカを括っている左証となる。あるいは、どうせ「政府支出」より「民間企業の海外への輸出」の方が格好の良い響きで、世間的に受け入れられるであろうから、わざわざ深く掘り下げられる事もあるまいとタカを括っているのか。
 また、逆に、「財政政策を重んじつつ、金融政策そのものに反対している論者」を、私は見たことがない。いるなら教えて欲しい。
(金融政策あっての財政出動であることは、私も認める所である)


7、財政政策を主、金融政策を従とする発想を、「固定相場制を指向するもの」だとする「空き地さま」のお考えは、どこにどう根拠があるのか分からない。
 それは、そもそも「空き地さま」がまずマンデルフレミングを前提としつつ財政出動を重視する論者を見て、「あ、固定相場制を指向しているな」と断じているにすぎないのではないか。
 あるいは、「国境を越えた資本移動の自由を制限する」という事と、「固定相場制を指向する」ということを取り違えておられるのではないか。
 また、現下、金本位制を指向している者も見たことがない。『金本位制論者』という見えない敵と戦っておられるのは「空き地さま」の方ではないか。


8、7から、藤井教授が「マンデルフレミングを否定しながら、マンデルフレミングを前提にしている」という糾弾は、根拠を失うはず。
 また、もしそのように見えるのであれば、藤井教授は、マンデルフレミングではなく、ISーーLM分析の元であるケインズの『一般理論』の方を前提にしているからであり、そして、一般理論では不況下での金融政策は単独では効果がない事を示唆している。
 繰り返すが、それを「為替変動によって輸出が減るから財政出動に効果がなくなる」というような、「輸出」と「国内の需要(政府であろうと民間であろうと)」とを(暗黙の内に)等価値として前提し、拡張したのがマンデルフレミングである。
 そして、そもそも、ISーーLM分析として図式化した時点で、「未来の不確実性」や「流動性の罠」の議論は見えづらくなってしまったのであって、さらにマンデルフレミングモデルでの拡張で、これらは灰燼に帰してしまった。
 一般理論を前提としての「仮説ーー演繹」の営みであるにもかかわらず、一般理論の議論を都合良く置き去りにしている……という卑怯をやっているのは、マンデルとフレミングとリフレ派の方ではないか。
 また、そのことをプロの経済学者や評論家が分からないはずはないのであり、リフレ派は、「どうせモデル成立までの経緯など知らない奴の方が多いに決まっている」とタカを括っているのではないかと疑われてくる。



(了)

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コメント

No title

クッソ長いですが、どうかご容赦を

>1
>円高になる理由
だからマンデルフレミング効果の説明の通りですよ。
>あるいは、金融緩和が足りなかったんじゃあないでしょうか?
まさにマンデルフレミング効果が発生する要因がソレでしょうに。

>2
>その時間差での金利高はいつあったのか不明
飯田氏は「時間差で金利上昇が現われる」などとは説明していません。「金利上昇圧力が円高でキャンセルされる」と言っています。
>どんな理論を下にしようが、何を言おうが良いことになってしまう。
仰る意味が分かりません。「金利上昇圧力→円の需要増→円高→金利上昇圧力解消(円高が残る)」という理屈があって、実際に円高が観測されている。まさに「仮説からの演繹」と「事実からの帰納」を実践しているわけです。

>3
>それは海外の投資家が間違っていたということになる。事実、時間差を置いても金利はいつまでたっても上がらなかったのだから。
2への反論で「時間差で現われるワケではない」と説明したので無意味な議論。また、「投資家が間違っていた!」と言い張ったところで、彼らが実際に円買い(→円高)と言う行為に至ったのだから仮説の通りではないですか。事実を否定しては「事実からの帰納」に反しますよ?
>政府は「海外投資家の中で前提とされているだろう経済モデルによって決定される投資家マインド」を予測して、政策を決定せねばならないのか。
投資家は「自分が儲かるため」に行動しているのであって、特定の経済モデルを参照しているわけではありません。各プレイヤーはあくまでも「自分の儲け」という動機によって自律的に行動しているに過ぎません。この国が自由主義経済を採用している以上、そのシステムを前提に政策を選択するのは当然であり、「天皇陛下を戴いているから」「歴史と伝統があるから」といった(あえて言わせていただきますが)“下らないこと”でルールを覆すことはできません。私に言わせれば「天皇陛下を戴いているから」「歴史と伝統があるから」という理屈のこそがいかにも“フワフワしたもの”に思えますがね。「仮説からの演繹」でもなければ「事実からの帰納」にもなっていないですし。

>4
>何故、公債発行高のより高かった政権の円相場に焦点をあてないのか?
小渕・麻生政権を例に出すのは「金融緩和を行っていない+財政出動を大きく拡大した」の代表例だからです。マンデルフレミング効果を見るには「財政政策のみ」を行った事例である必要があります。公債発行額が大きくても金融緩和を伴っていれば(程度によりますが)円高がキャンセルされるわけですから、「金融緩和を行っていない」という要素が同時に必要なのです。別に小渕総理麻生総理が憎くて標的にしているわけではない、ということを一応申し添えておきます。

空き地 #- | URL | 2014/07/05 22:24 [edit]

No title

>5
>そもそも円高は必ずしも問題ではないし、輸出が円高によって減ることなどある程度問題ではない。
一昨年来の円高是正で何が起こったかを考えれば、とてもそんなことは言えないと思いますがねぇ。
>勿論、経常赤字はよろしくないが
そのお考えは改めた方がよろしいかと。本当に「経常赤字はよろしくない」のであれば、単純に考えて世界の半分は「よろしくない」状態にあるということになります。そして、「よろしくない」国が全て潰れたとしても、残った国々の内の半分は経常赤字になるわけです。そうすると最終的に1ヶ国(=経常収支ゼロ)になるまで国数は減っていき、晴れてグローバル化が達成されてしまうことになります。
>需要を海外に求めるのではなく、恒常的、長期的に政府の公的需要を増やし
現在、アベノミクスの金融緩和によって、民間の需要が伸びてきており、デフレギャップも間もなく埋まろうかという水準まできています。もちろん、公的需要による部分もあろうかと思いますが、あなたが思っているほど民間の需要は貧弱・脆弱ではないと思いますよ?

>6
>わざわざそれを解放経済に拡張したマンデルフレミングを持ち出す
現状でこの国が開放経済なのですから、実際により近いモデルで考えることは何ら不思議なことではありません。
>「政府支出という国内需要」より「民間輸出による需要取り込み」を重視する事を前提に話を進めようとする恣意がある事を、誤魔化すことはできないはず。
5への反論に少し書きましたが、私が重視しているのは「民間の(国内)需要」です。そして、それは金融政策の効果により着実に増えつつある。円安の効果により外需も多少は増えるでしょうし、公的需要についても、不当に低く押さえつけられていた分については拡大すべきと考えますが、どちらも私にとっては最優先ではありません。したがって、何かを誤魔化す意図はありません。
>「財政政策を重んじつつ、金融政策そのものに反対している論者」を、私は見たことがない。いるなら教えて欲しい。
藤井聡氏などは「リーマンショックからの回復局面において、金融政策には効果が無かったか薄かった。逆に財政政策は押し並べて効果があった」と主張していますね(リフレ派からは反論アリ)。三橋貴明氏辺りは最近になって「量的緩和で出したお金がブタ積みになっている」と不可解な批判をしていますし、ラジオで「これ以上金融緩和しても円安は進まない」と金融緩和無効論を論じたこともあります。

>7
>財政政策を主、金融政策を従とする発想を、「固定相場制を指向するもの」だとする「空き地さま」のお考えは、どこにどう根拠があるのか分からない。
ん?だってそうでしょ?「財政政策で円高になるなら、金融緩和でその円高をキャンセルすれば良い」ということはつまり、為替水準を維持するように(財政出動の額に応じて)金融緩和をしなさい、ということであって、これを固定相場志向と言わずになんと言いましょうか?もし、「円高を放置してもいい」となれば、それは結局マンデルフレミング効果を発生させてしまうわけですから、財政政策は無効化されてしまいますよね?
>「国境を越えた資本移動の自由を制限する」という事と、「固定相場制を指向する」ということを取り違えておられるのではないか。
国際金融のトリレンマに従えば、資本移動の自由を制限すれば自動的に固定相場制が成立しますよ?
>金本位制を指向している者も見たことがない。
金本位制の話は昭和恐慌当時に金融政策の自由を縛っていたのがそれだったというだけの話。「自由な金融政策を確保せよ」という観点においては「固定相場制」と「金本位制」は同じ意味です。

>8
>一般理論では不況下での金融政策は単独では効果がない事を示唆している
う~ん。一般理論をちゃんと読んでないので自信がないですが、その前提は「変動相場制」なのでしょうか?固定相場制を前提にすれば「金融政策単独では効果が無い」というのはマンデルフレミング効果のひとつとして知られているお話です。
>「輸出」と「国内の需要(政府であろうと民間であろうと)」とを(暗黙の内に)等価値として前提し
まぁ「GDP」としては等価値でしょうねぇ。「前提」というよりは「経済指標の定義」の問題ではないかと。「GDP」で経済規模を測ることが世界のコンセンサスである以上、両者が等価値であることは動かし様がないかと思われますが。
>「未来の不確実性」や「流動性の罠」の議論は見えづらくなってしまった
そうでしたっけ?ISLMで流動性の罠を説明している人がいたような覚えがありますが。「未来の不確実性」の意味するところがちょっと分からないのですが、物価変動がそれに含まれるのであれば、物価変動は「実質金利」を導入することでISLMでも説明できたはず。そして、実質金利を導入することこそが流動性の罠から脱出する方法を導き出す鍵になっています。

空き地 #- | URL | 2014/07/05 22:24 [edit]

No title

空き地さんという方は三橋さん及び保守系のブログにまるでストーカーのように誹謗中傷まがいのコメントを繰り返しているような方で、論点をずらしたりただレッテルを貼るなど、(私から見ると)まともな会話が不能であり、わざわざ相手にする必要もないと思います。
むしろこの方からアンチコメントが付くのであれば保守として認められたということで、今後は無視をしておけばいいんじゃないでしょうか(笑)

井川 #- | URL | 2014/08/14 00:07 [edit]

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