09 «1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.» 11

日本が日本であるために

時事、ニュース、政治、経済、国家論について書きます。「日本が日本である」ということを政治、経済の最上位目的と前提します。

 

TOP > 経済:反グローバリズム > title - 『自由貿易主義への偏執は、もう誰も国家のことを考えなくなっている証拠』      
  

『自由貿易主義への偏執は、もう誰も国家のことを考えなくなっている証拠』 


 昨年、イギリスのEU離脱やトランプの当選などによって、世界は「自由貿易推進」から「国内産業の保護」が赤裸々に求められる流れになることが明瞭になってきました。

 すなわち、グローバリズム経済というのがキレイごととしても成り立たなくなって、経済にはナショナリズムの土台が不可欠である……ということが、かなり表面上にも噴出してきているということです。

 しかし、相変わらず日本では「自由貿易礼賛」の空気が大勢を占めているようです。


 例えば先週、安倍首相はEU各国を周り、「EU統合への支持」と「保護貿易への懸念」及び「自由貿易の推進」を訴えたそうです。


http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170321/k10010919501000.html
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3009020.html
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00353025.html


 この関係性は整理するとこうなります。


1、アメリカやイギリスは「自由貿易が国内産業を空洞化させる」ことに対する懸念を、かなり赤裸々に表明するようになってきている。

2、日本政府は「(アメリカやイギリスを始め)世界が保護貿易化する」ことに対する懸念を示し、世界に対して自由貿易路線を訴えている。


 もちろん、日本はとりわけ21世紀には一貫して過激な自由貿易路線を突き進んできたわけですが、今日の関係性は去年の前半までとは局面が変わっています。
 それは、トランプ大統領の誕生で位置取りが切り替わっているからです。

 そもそも、トランプ大統領の当選前は、少なくとも以下のような可能性が(ギリギリのところで)成り立っていた。

 すなわち、

1、アメリカは「自由貿易」を推進している。

2、ゆえに、日本も「自由貿易」を推進している。

 と。

 であるから、外国視点からは、

「日本の自由貿易推進が、単なる国際的なポーズであり、本心は自国産業を保護することも考えているには違いない」

 というふうに見てもらえることもできたでしょう。

 もちろん、日本人はもうとっくに誰も本気で日本国家を千年続けようとは思っていないので、本当はそんなことは誰も考えていないのですが、少なくとも昭和期くらいまでは(何やかんや言いながら)日本もちゃんと国家のことを考える国であったし、外人からすれば、「当然、日本もそれなりに日本国家のことを考えて自国産業保護のことを考えているに違いない」と、ある程度勘違いしていくれていたところもあったはずなのです。

 しかし、トランプの当選でアメリカが「自国産業の保護」を赤裸々に言い出したにもかかわらず――つまり、「自由貿易主義による世界市場の統一」というのがキレイごととしてすら通用しなくなってきたにもかかわらず――まだこうも「自由貿易、自由貿易」と自由貿易を「進歩の光の先」と強調して憚らないとなると、どういうことになるか。

 それは、日本はもう自国産業を保護するという国家的な観点を持ち合わせておらず、誰に強制されているわけでもなく「自由市場主義による世界市場の統一の経済理論へ、国家主権を譲渡しようと本気で考えている」のであり、つまり誰も本気で全体として日本国家を続けていこうとは思っていない……ということが、外国にバレてしまうということです。

 こういうことが理解されるであろう……と想像できるのは、他国でもそれなりにナショナリズムが失われてきていることが想像されるからですが(本当にナショナリズムがあれば、本当にナショナリズムがないという状態を本当には理解できない)、それでも日本ほどナショナリズムの失われた先進国は無いであろうとも察知されるからです。
 その証拠に、各国それなりに自由貿易への反発があるわけですから。

 そうなると、それまで勘違いしてくれていた部分と、かつての強いナショナリズムを誇った日本のイメージも相まって警戒していた部分が、もはやハリボテだということが露呈したということにもなるのですから、外国からすれば経済的にも、軍事的にも、日本を喰っていくのに躊躇はいらないということになりますでしょう。


 これは、首相ご自身が「本気で日本を千年続けて行こうとは思っていない」ということでもあるのですが、首相のこの感覚は、どうやら日本の平均的な人たちの平均的感覚とほぼ一致しているようでもあるのです。

 だって、トランプ大統領が当選し「アメリカが必ずしも自由貿易の進歩観にコミットしない」ということになった瞬間、日本人は何をどう考えて良いか、どう喋って良いか、しばらく右往左往した後、結局それまでの思考体系にしがみつくという形で決着をつける他なかったわけでしょう。

 つまり、首相の国際経済観は、この日本のそこかしこで言われている国際経済観のごく平均的なものと見事一致しているのです。

 つまり、誰もナショナリズムを基礎に「強きも弱きも日本として連帯しよう」と思っていないので、「自分たちの産業構造を再構築しよう」などとも思っておらず、「ただそれぞれ各々が浮いたり沈んだりすること」だけが最大の関心事であるから、「外国企業の参入から国内産業を保護する必要性」も「価値」として想定外なのでしょ?

 そういう人々にはそういう人々にふさわしい政治――つまり、国家にこだわらない政治――がもたらされるというのも、現代が「民主主義」の世の中というのであればまったく当然至極のことでしょう。

 そして、国家の経済はナショナリズム抜きに発達し得ないのであるから、昨今の経済的な没落に際する苦しみもまったく自業自得としか言われないのです。


(了)


関連記事
スポンサーサイト

Category: 経済:反グローバリズム

tb 0 : cm 0   

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://shooota.blog.fc2.com/tb.php/326-00601411
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)