05 «1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.» 07

日本が日本であるために

時事、ニュース、政治、経済、国家論について書きます。「日本が日本である」ということを政治、経済の最上位目的と前提します。

 

TOP > 政治 > title - 安倍首相の訪ロシアと、バランス・オヴ・パワー      
  

安倍首相の訪ロシアと、バランス・オヴ・パワー 

 安倍首相のロシア訪問は、日露双方で概ね「経済、領土、平和条約」のそのものの観点での進展に目が向けられている。

引用:『ロシアの声』http://japanese.ruvr.ru/2013_04_30/112151281/

 かく言う俺も、日露間の外向的進展の方向性には大賛成だ。
 ただ、この「日露間の経済、領土、平和条約の進展」といったものが、何故重要になってくるかーーという点について、甚だ議論が薄いように見える。

 ちょっと政治に興味のある者は、次のように考えるだろう。

引用:サーチナ・『安倍首相のロシア訪問の目的は対中けん制か?』http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130429-00000003-scn-cn

 つまり、中国との経済的関係に将来性を見いだせないので、代わりにロシアとの経済連携に注目するーーという筋立てだ。或いは、そこには「中国に対しての牽制である」といったような視点も付随する。

 なるほど、この視点はある程度正鵠を射ていて、おそらく安倍首相個人はこの部分を多分に意識しているのではないかと、俺は推測している。


 だが、ロシアとの関係に何らかの可能性を、少なくとも現実味を帯びた形で示唆することが出来た場合、それは中国のみならず、アメリカに対しても牽制要因であるという視点を是非持ちたい所だ。

 と言うのも、ロシアは、ソビエトの崩壊での衰弱状態からある程度立ち直って来ており、『超』をつけるまでは行かずとも、今や『そこそこの大国』である。
 そして、20世紀末から2000年代にかけて、アメリカがただ一つの超大国として君臨してきた状態が、その衰えと共に『多極化』しているのが世界の現状なのだ。

 この、多極化というものに、日本の独立性を上げるチャンスがあると、俺は考えるのである。

 そもそも、二極、いわんや一極の世界の下では、その超大国の価値観に、他のそれぞれの国家の独立性が改変されていく事に、どうしてもなる。
 日本で言えば、価値観がアメリカナイズ(自由化、民主化)されて行ってしまうという事だが、これは日本に限った事ではなく、世界中で見られた現象である。
 勿論、「大東亜戦争に負け、国家の中枢を自由民主主義に改変されて、それが半世紀ほどたって世代の入れ変わった折、原理的に真の毒素を発揮しだした」という事もあるだろう。が、「世界全体のパワーバランスが一極化すれば、その超大国の色に世界が染められていってしまう」などということは、よく考えれば当たり前の事だ。

 世界が超大国の一極体制になってしまうと、その他のそれぞれの国家がその超大国の色に染まって、「国境が薄くなって、それそれの独立性が弱まり、価値観がグローバルに統一されていく」という大問題を引き起こす。
 であるからして、世界がアメリカで一極化した状態で、「日本の独立性を高める」というのは、中々難しい面があった。

 しかし、世界が今の流れで多極化していけば、つまり、複数の大国のパワーがバランスすれば、「何処かの超大国の色に価値観がグローバルに統一されていく」といったような弊害が少なくなる。
 もっと言えば、「国家への拘り」「国境の隔たり」というものを各国国民が強く認識する、健全な世界情勢へ戻っていくであろう、ということだ。


 さて、こういったバランス・オヴ・パワーの議論で参考になるのは、なんと言っても『ビスマルク』の外交手法である。
 19世紀、プロシアの宰相だったビスマルクは、ヨーロッパ各国の国力を俯瞰し、「今、ドイツがどの立場に立てば、大国間のパワーが均衡するか」という観点で、外交を押し進めた。
 大国間のパワーが均衡すると、常に緊張状態となるわけだが、大きな戦争というものは起きにくい。何故なら、均衡したパワーの中での全面戦争は、どちらが勝っても、どちらもただでは済まないからだ。
 勿論、ビスマルクは「ヨーロッパ全土の平和を願って」そのような外交手法を取ったわけではない。
 目的は、「せっかく統一したドイツの独立を保つため」である。
 たとえば、フランスの国力は当時抜きんでて精強だった。その上で、ドイツがフランスと密接な関係を結べば、ヨーロッパはフランスで一極化しただろう。そうなれば、当然ドイツの独立性はフランスの色に阻害されるのだ。


 さて、我が愛すべき日本に話を戻そう。
 勿論、今の日本の「アメリカへの依存状態」が、軍事のみならず、経済、流行、審美眼、哲学、宗教観、価値観に至るまでドップリであることは承知しているので、ビスマルク的に上手くやれる状態ではない事はわかる。

 しかし、多極化していくであろう世界の中、日本には是非「大国の一つ」を目指してもらいたいのだ。

 多極化する中で、大国の一つとなりおおせたらば、「他の大国との距離感を互いに牽制しながら緊張した状態で保つ」という外交がなせるわけで、その方向が唯一「日本の独立性を高めていける世界環境」のヴィジョンであると、俺は考える。
 別に、世界を「日本一極」にする必要はないのだ。

 具体的に言えば、(今はあまり現実味を持って考えにくいかもしれないが)、日本と『ロシアやヨーロッパの国々』との関係がアメリカに対しての牽制になり、逆に日本とアメリカの関係が『ロシアやヨーロッパの国々』の牽制になる、といったような。

 これら、『次代の大国候補』の中で、ロシアは位置的にも、歴史的にも、日本にとってポイントとなり得るのではないか、といったような事を、今回の安倍首相の訪露で考えた次第である。

 まあ、それも、日本が「独立を取り戻す為に次代の大国の一つとなる」という意志を持ち合わせていたら、の話ではあるが。




関連記事
スポンサーサイト

Category: 政治

Thread: 政治・経済・社会問題なんでも

Janre: 政治・経済

tb 0 : cm 0   

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://shooota.blog.fc2.com/tb.php/57-e6f19fff
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)