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日本が日本であるために

時事、ニュース、政治、経済、国家論について書きます。「日本が日本である」ということを政治、経済の最上位目的と前提します。

 

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妹にアベノミクスなどを解説してみた(前編) 

 実は、俺には妹がいる。
 彼女は、「韓国がもの凄く大嫌い」だという若い娘だ。
 ここでは、仮名として妹の名前を『杏子』としよう。


 先日、俺が台所で煙草を吸っていると、

妹:「アニキ、一本ちょうだい」

 と寄ってくる杏子。

 俺は、俺のことを『お兄様』とか呼び、おしとやかな所作に、清楚な黒髪を頬へそよがせて、恥じらい深げに微笑むーーといったような妹が欲しかったのだが……
 現実は、俺のことをヤクザのように『アニキ』と呼び、チンピラのような所作に、栗色の巻毛を寝癖で立ち上がらせて、無愛想に煙草の煙を吐く妹しかいない。
 まあ、どんな妹を妹にするかというのは、『個人の自由意志』とやらで選ぶ事は出来ないのだから仕方がない。それは、親を選べないのと同じであり、生まれ落ちる土地や国家を選べないのと同じである。そして人間は、『個人の自由意志』なんぞで選び取ったモノより、予め強制的に決められた存在のモノの方を愛するものなのだ。

 さて、それは良いとして、妹は俺がやった煙草の灰を灰皿に落としつつ、こんな事を喋りだした。

妹:「そう言えばこの前、TPPの話がテレビでやってさ。ほら、ローカルのxxxって番組。最初は『TPPは良い』みたいな感じでやってたんだけど、コメンテーターのAさんとかKさんとか出てて反論が始まってね」

 xxxという番組は知らなかったのだが、俺はおとなしく相づちを打って聞いていた。

妹:「ほら、TPPって、農業問題っていうよりは、保険とかがヤバいっていうじゃん」

俺:「うん、まあねぇ……」

妹:「そういうのを言っててさ。テレビでもそういう事やるようになってきたんだなあって」

俺:「ふーん」

妹:「それで、その後、『アベノミクスってなんだ』って話になって。何か色々言ってたんだけど、結局Aさんとかが、『専門家が経済のことを話すと、一般の国民に分かりづらくてイケない』って話になってさ。確かに経済の話ってワケわかんないよね」

俺:「はぁ?なに、それはどういう事が『分かりづらい』っていってたの?」

 俺はここでようやく相づち以外の台詞を挟んだ。

妹:「え、うーんと、そうそう。まず、『インフレとデフレの違いが分からない』とかアイドルの子が言い出してさ。それでKさんが『例えば、この飲み物の値段が100円から120円に上がっていくのがインフレで、100円から80円に下がってくのがデフレだよ』みたいな説明をしてね。それを聞いてアイドルの子も『なるほどー。はじめからそうやって言ってくれれば分かるのに』みたいな風になって」

俺:「なんか随分乱暴な説明だな。つーか、それって経済が分からないとか以前の話じゃね?」

妹:「なに、じゃあアニキは経済が分かってんの?」

 この妹の口調には棘があった。

 まあ、確かに俺の受け答えは、少し感じの悪い調子を帯びていたかもしれない。『そんくらいの事も分かんねえとかバカじゃねえ?』みたいな態度にとられたのだろう。
 ただ、俺はそういうつもりで言ったのではなかったのだ。
 妹の口から聞くその番組の論調が『物事の説明は、多くの人に分かりやすい方が良い』みたいな調子だったのが気にくわなかっただけなのである。

 例えば、コメンテーターのKさんが説明したインフレとデフレの解説は、身近で分かりやすかったかもしれないが、実際は粗雑で本質を外している。それはKさんが阿呆だと言いたいのではなく、『物事を多くの人に分かりやすく説明する』と、『紋切ったように粗雑で、乱暴な解説にならざるを得ない』が故に、大きく本質から外れていくものなのだ。

 その上で『物事の説明は、多くの人に分かりやすい方が良い』とする筋立ては、『分かりやすくする事で、物事の表し方が多少粗くなっても、より多くの人間が判断に参加できるようにした方が良い』という所からしか来ない。
 つまり、民主主義が正しいという前提でしかそういう論調は起きないわけで、民主主義が大嫌いな俺はついムッとしてしまったのだ。
 『より多くの人間が判断に参加できるようにした方が、より正しい』だなんて保証はどこにもないし(むしろ、多くの人間が判断に参加して、間違った結論ばかりを出すというのが民主主義というものだ)、そんなガキみたいな思考回路には吐き気がするのである。

 だが、そんな理屈っぽいことを説明しても、話題がややこしくなるだけだから、俺はこう切り返した。

俺:「うん、そうだね。俺も経済は分かんないよ」

妹:「そうでしょ?」

俺:「うん。つーか、経済は、『主義』とか『学派』で全然言ってる事が真逆だったりするから、何が正しくて、何が間違っているかとか、俺には分からん」

妹:「あ、経済ってそうらしいね」

俺:「うん。そんで、経済の立場みたいなものがどういう風に分かれているかって言うと、『より政府の権限を強くする』か『より民の自由にするか』の程度によるんだよ。杏子、ケインズっちゅー名前は聞いたことある?」

妹:「うん、まあ……名前はね」

俺:「ケインズは、どっちかっていうと、政府の権限を強くする方の立場なわけさ」

妹:「ふーん」

俺:「逆に、シカゴ学派のマネタリズムってのがあるんだけど、フリードマンっちゅー名前は聞いたこと無いかなあ」

妹:「いや、名前くらい聞いた事あるし」

俺:「え、マジで?」

妹:「う、うん……多分」

俺:「フリードマンの方は、経済はとことん民の自由にした方が良いみたいな立場なんだよ」

妹:「なるほどね」

俺:「『マネタリズム』って言うくらいだから、『貨幣経済を重んじる主義』ではあるんだけど、逆に言えば、民間ではどうにもならない『貨幣』って部分以外は、民の自由にさせろって主義でもあるわけさ」

妹:「っていうと、それが日本銀行の総裁を代えてお金刷って……みたいな話に繋がるの?」

俺:「いや、その日本銀行にとにかく金融緩和させろってのは、『リフレ派』ってやつだよ」

妹:「ああ、そうか」

俺:「マネタリズムは、インフレ、デフレに関係無しに、常に一定の増やし方でお金を刷っていれば、『長期的』には、自由な民間市場が機能して上手く行くだろうーーって話なワケ」

妹:「そうなると、マネタリズムってのは、『デフレの時にお金を多く刷る』とか『インフレの時にあんまし刷らない』っていう事も、政府にやらせたくないのかぁ」

俺:「そうそう。そういうこと」

妹:「じゃあ、アベノミクスっていうのはどういう感じなの?」



 後編へ続く



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