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日本が日本であるために

時事、ニュース、政治、経済、国家論について書きます。「日本が日本である」ということを政治、経済の最上位目的と前提します。

 

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やめよう!新自由主義 

 俺は、『新自由主義』と呼ばれる経済思想群が大嫌いです。


 まずは、俺なりにここで言う『新自由主義』とうものを定義させていただくと……


・ 国家の中に『政府なるもの』と『民間なるもの』があると考えた上で、
 「政府の活動領域を制限していき、民間の自由な活動の領域を広げていけば、市場(民主主義)が機能して経済は成長するはずだ」
 という信仰を持った経済思想

 ……のことです。


 この経済思想は、おそらく「それが思想である」という事を指摘されなければ、「当然の事」として多くの人が無意識的、反射的に好意的に見てしまっている『主義』であると、俺は考えます。

 それと同時に、この「多くの人が新自由主義的経済思想を無意識に好意的に見てしまうこと」は、大衆社会の中では当然起こりえる帰結である、とも考えています。
 何故なら、新自由主義の背景には、「一人一人の自由な判断」が、概ね「賢く、合理的である」という前提に立って、「その賢く、合理的な、一人一人の自由な判断に、より多く選ばれたモノが、より優秀なものである」という、『自由主義』及び『民主主義(=市場主義)』があるからです。

 そうなると、今を生きる日本人の一人一人は、『新自由主義』に、「みんな賢い。だからみんな自由にやれ」と言われているんですね。
 つまり、新自由主義は、人間の個人個人、一人一人に対して、「限りない肯定をしてくれている」のです。
 ならば、「人間の個人個人、一人一人がバラバラなまま塊となったモノ」であるところの『大衆』が、『新自由主義』を好きなのは当然ですね。
 だって、「みんな賢い。だからみんな自由にやれ」と言われている『みんな』に、『自分』も入っているわけです。
 『自分』を肯定してくれている――もっと言えば「媚びてくれている」から「正しい」という風に思うなんて、幼稚園児のように至極分かりやすく単純な思考回路であると言えましょう。


 しかし、現実を見ると、『人間の一人一人』は別にそんなに賢くないですよね。
 ましてや合理的でなどあるはずはないです。自分の周りを見れば分かると思いますが、人間は結構エモーショナルで理不尽なものですよ。
 この「人間の一人一人は賢くもないし、合理的でもない」という事を認めれば、「より多く選ばれたモノが、より優秀なものである」という『市場主義(=民主主義)』は何の保証もない話であるということになります。

 裏を返せば、『市場主義(=民主主義)』というものが「絶対正しい」ということにしておけば、「人間の一人一人は賢いし、合理的である」から「自由にやって良い」という話にしておけるのです。


 俺は、この筋立てが、どーしても気に食わない。何故なら、「果てしなく、自分で自分の能力を過信する態度」がひどく醜いからです。


 さらに、「民主主義(=市場主義)」が絶対正しいということにして、「人間の一人一人は賢いし、合理的である」から「自由にやって良い」という話になれば、当然、邪魔者が浮かび上がって来ます。
 そう。最も敵視されるのは、『国家』とか『政府』ですね。
 あるいは、「個人」ではない、『集団のシガラミ』や『既得権益』『コネ社会』といったものも、新自由主義者や自由民主主義者は嫌う傾向にあります。個人の自由と背反するものだからでしょう。


 そして、またまた裏を返してみれば、「国家、政府、シガラミ、既得権益、コネといったもの」を嫌うのであれば、「人間の一人一人は賢いし、合理的であるから、市場主義(=民主主義)が絶対正しい」という事にしてしまった方が良いわけです。
 何故なら、そうであれば「国家、政府や集団」から、より多くを剥奪する事ができるからです。


 そいうわけで、反国家、反政府的な思考回路からも、新自由主義といったものは人気を博すわけですね。

 国家、政府から権限を剥奪したいのであれば、「人間の一人一人はとても賢いから、市場主義(=民主主義)が素晴らしい」という事にしてしまって、「国家や政府は邪魔をしている」という話にしてしまうのが一番だからです。


 でも現実は違います。
 人間は、まず国家が無ければ絶対に生存不可能です。
 まず、国家と、その内部に存在する中間組織があり、その歴史的土台の上で『政府の領域』と『民の領域』がバランスしていなければ、経済は成り立ちません。
 常識的に考えれば当たり前の話です。


 政府の領域を制限して、民の領域を増やせば増やすほど、経済が進歩していく……だなんて与太話を信じるのは、小学生の低学年までにしてもらいたいものです。
 が、そんな阿呆な話を一斉に信じてしまうのが民主主義であり、現状、日本国では民主主義以上の政治権力が存在しないのですから、一体どうしたら良いものか、頭の悪い俺には皆目見当もつきません。



(了)

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Category: 経済

Thread: 政治・経済・社会問題なんでも

Janre: 政治・経済

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コメント

いわゆる新自由主義

人間の行動は合理的だから、それぞれの行動に任せれば上手くいくって思想は自分も受け入れられません。人間の行動は合理的ではありませんし、間違います。ですから、伝統や慣習を重視しなければなりません。

だからこそ、伝統や慣習を重んじた自由主義経済は支持します。どんなにグローバルスタンダードではない慣習でも、その国々のやり方ですから尊重すべきです。いわゆる新自由主義は、理念に走り過ぎていると感じます。ハイエクも最後は、変化は善だと言っているようですから。

一方、あまりにも、慣習だからと妥協しないとなると、これも孤立してしまいます。

TPPに関して言えば、農業は祭祀の根本であるということを外さないこと、医療に関しては、最低限の医療はやるという医者、国民のモラルを持つこと等、表面に現れない慣習を大事にするという気持ちを持つなら、中韓に対抗するためにも必要だと思います。単に、市場が広がるとか自由主義だからという意味で賛成するのはどうかと思います。

ただのぶ #- | URL | 2013/07/21 11:12 [edit]

Re: いわゆる新自由主義

ただのぶ様、コメントありがとうございます!

 見識のあるご見解、まことに参考になります。

 「伝統や慣習を重んじた自由主義経済」を説いたのはヒューム哲学を基礎とした、ハイエクの論理だったはずでしたね。(俺はどちらかと言えばケインズの支持者なのですが、ハイエクの言い分には一理も二理もあると考えております。)
 ただし、この論理は「人々は伝統や慣習の上に行動しているはずだから、政府はその邪魔をすべきではない」という方向へ転じてしまいやすいのではないか、とも考えています。
 ヒューム哲学から始まったハイエクの論理が、変化は善とヒューム哲学とは逆の方角を向いてしまったのも、そのせいではないでしょうか。


 俺は、伝統や慣習に基づいた民なるモノへの『自由』があるならば、伝統や慣習に基づいた民なるモノへの『不自由』もあるはずだと考えます。
 つまり、政府が民に対して不自由を強制すべき領域についても、伝統や慣習はあると考えるのです。


 TPPについては、ただのぶさんのような意見でしたら、一理あると思います。
 俺は賛成できませんが、現実の問題と照らしてということですから、議論が分かれていって良い所だとは思います。

おーじ #- | URL | 2013/07/22 12:07 [edit]

新自由主義

ありがとうございます。
私はハイエクは、隷属の道しか読んだことがなく、保守との決別は、解説本だけなんで、ハイエクのことを分かっているわけではありませんが、仰るとおり、変化を善と考えるハイエクの思考には同意できません。Twitter民で自由主義者はハイエクを崇める者が多く、つい反発してしまいます。では、ケインズがいいと思っているわけでもなく、はっきり言えば、西洋発の経済思想はみんな糞食らえって思ってます(笑)日本の経済学者は、日本の経済思想を構築すべきと思ってます。

また、どちらかというと、TPPは消極的賛成なんですが、日本の価値観を押し込めればいいのかなと。同じように、明治維新も全面的には肯定できません。四民平等とか、西洋啓蒙思想という毒を毒と分かっていたのは、ほんの一握りではなかったのかと。

こういうと、今の憲法を肯定するのかと思われるかもしれませんが、67年続いてしまった伝統も現実です。無理矢理変えてしまうと、悪い方向に変わってしまう可能性があります。ほとんどの人達が、理性や理論を絶対視して、慣習、偏見をしがらみとしか思っていないでしょうから。

だからといって、バークの思想が完全に日本に合うとも思えません。ただ、西洋啓蒙思想、特にルソー教を打破するには西洋の思想が必要です。

本来は、今も続く和の精神が根本と思います。ただ、和の精神があるから、いつまでたっても左翼が滅びないってのもあるかもしれません。

とりとめのない話になりましたが、あなたのような考えの若者が増えることを祈っています。

ただのぶ #- | URL | 2013/07/22 21:19 [edit]

Re: 新自由主義

ただのぶ様、聡明なご見解に敬服いたします。

 西洋発の経済思想に支持できないというのは、俺も全く賛同します。やはり、ベンサム的な功利主義が底にあるように思われるからです。
 ただ、ケインズやハイエクは、経済学の領域ではまだ常識的な方であるとも思います。尚且つ、ケインズとハイエクの立場は真逆であるので、頭の中に双方の立場を入れ、その間で中庸を取っていく姿勢が必要なのだろうと考えます。
 本当は、ただのぶさんの仰るとおり、日本の経済思想を構築するのが一番良いのだとは思いますが。

 また、俺は、明治維新については否定派です。
 そして、これはただのぶさんと微妙に意見が違うところではありますが、TPPも否定派です。
 ただし、一方で、軍事的なパワーの問題が存在するのも承知しています。ですから、政府の方針がTPP参加である事は、寛容的に見るべきだとも思っています。
 問題は、TPPの『理念』が、世の中で肯定的に捉えられるようになることの方にあると考えています。

 67年続いてしまったモノーーも、慣習、伝統の一部であると、いう考えは、全くの同感です。また、戦争が終わって占領下にて、いきなり今のような価値観へと変容したわけではないはずですから、その変遷までを引き受けた上での軌道修正が必要なのだと思います。

 西洋思想を受つけたくなくても、ロック、ルソーの牧歌的社会契約説をはじめとするいわゆる西洋啓蒙思想を打破するのに、バークらの保守思想が必要になってくるのは、それだけ彼ら西洋人が長い間革命思想の害悪と対峙してきた歴史の積み重ねなのでしょう。

 そして、保守主義は、「革新の主義による急激な変革を否定する主義」ですから、和の精神とは相容れないところがあるのかもしれませんね。何らかを強く否定するのは、和の精神に適しない気がしますので。
 しかし、我々が保守の態度をとった場合、当然ながら守るべき内容に和の精神が含まれる、といったジレンマがあるのだとも思います。

 俺なんかはまだ若造で未熟な上にかなり人間的に不道徳な所があるので、和の精神に足りないところがあって、それが故に、強い否定の態度を取れているだけなのかもしれないなぁ、と思ったりもします。

 故に、また何かしら気になる点等ございましたら、ご指摘、ご指導いただきたく存じております。

おーじ #- | URL | 2013/07/26 07:04 [edit]

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