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日本が日本であるために

時事、ニュース、政治、経済、国家論について書きます。「日本が日本である」ということを政治、経済の最上位目的と前提します。

 

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トミー様よりいただいた一連のコメントへの返答 

 今回は、変則的に、トミー様という方から頂いたコメントに返答するという形式の記事にさせていただきます。

 と申しますのも、トミー様におかれましては、このような弱小ブログに対して、一度に5つもの批判的コメントを頂戴いたしましたので、「これは本記事の方で反論を展開したいな」と思ったからです。

 また、5つものコメントに、各個反論をしていくのは重複する内容を何度も書かねばならなくなったり、内容を筋立てのが困難である……という事も、どうかご理解いただけたら、と思います。


 では、トミー様のコメントを提示し、その下に俺の返答を添える形で展開していきたいと思います。


※『』内、トミー様のコメント。


①以下、当ブログ記事「消費税反対に潜む醜悪な態度」に対するトミー様のコメント。

『>1960年代、70年代は、政府規模はもっと小さかったですね。財務省のサイトで国民負担率の推移をみてください。当時は25パーセント程度です。今は40パーセント程度。
> 政府の肥大化が民間活力の低下を生んでいます。かつての日本はもっと民間が自立しており、政府への依存が小さく、それゆえ活力がありました。
>増税なき財政再建を目指すべきです。』


【俺の返答、1】

 ここでのトミー様は、『国民負担率の推移』を根拠に、『1960年代、70年代は、政府規模はもっと小さかった』とおっしゃっていますが、これは不正確な議論だと思います。
 何故なら、国民負担率というのは、単に社会保障についての話だからです。
 確かに、少子高齢化で年金が増えて、社会保障費が増えている、というのは間違いないですよ。
 ですが、政府の大きい小さいは、社会保障費の多い少ないだけで論じて良い話ではありませんでしょう。

 まず、日本のGDPに占める政府支出の比率は、37%とOECD諸国でも極めて低水準です。

・GDPに占める政府支出の比率

 つまり、『政府の肥大化が民間活力の低下を……』というのは、日本政府に対してのいわれのない中傷以外の何物でもありません。

 また、年金で社会保障費は上がっているのに、全体としては極めて小さな政府であるということは、相対的に他で何かが減っているのです。
 それは、公務員の規模です。特に、中央官僚の規模が著しく縮小しています。

・国家公務員数推移

 特にここ十年、激烈な減少でしょう?
 60年代の国家公務員の数と比較して、現在では約半減してしまっていますね。

 というか、そもそも高度成長期というのは、通産省による産業政策や国土省によるインフラ整備指導が強かった時代だったのです。
 6、70年代を見習うのだったら、少なくとも当時のレベルくらいの官僚による指導が必要であるーーという、話になるのが自然だとは思いませんか。



②以下、当ブログ記事『大きな政府と福祉国家の違い』に対するトミー様のコメント。

『>逆だと思います。国を強くするために統制すべきなのは戦争などの非常事態だけです。
> ちょっと考えれば、政府の統制で経済が伸びるわけがないことはわかるでしょう。ソ連邦がうまく行きましたか?
>政府は民間の需要を的確に把握することはできないし、需要に応えるために工夫する力もありません。
>統制経済はうまくいかないのです。』


【俺の返答、2】

 俺はなにも、平時においてすら、戦時における統制経済くらい国家を政府でがんじがらめにしろ……などと言っているわけではありません。例えば、私有財産を否定し出したり、衣食住を配給にしろとか言い出したら、社会主義や統制経済を引き合いに出されたとしても仕方ありませんが、そのように書いたつもりもありません。つーか、そんなこと書いてません。

 俺は、適切な規模の政府を確保するために、「現状、やせ細っている政府の権限を、今よりは大きくしろ」と言っているだけです。
 平時であろうと、「国民統合」「国力増強」「国家の独立性の確保」という諸問題に、政府が役割を果たさなければならないのは当然です。国家の基盤がなければ、国民は存在していけないですし。

 それに、市場を市場たらしめる為には、通貨管理、規制と法の整備、公共インフラといった「国内市場の土台」の保守が欠かせません。何故かと言えば、市場原理は、「そういった土台があらかじめ敷かれている」ということを前提にした理屈だからです。どう考えても現実世界では、中央政府がやらなければならないんです。
 事実、政府が土台を敷き難たい市場では、その役割をヤクザが代わりにやってしまうでしょう?(俺はヤクザ肯定派ですけれど)

 ただ、トミー様のおっしゃる『政府は民間の需要を的確に把握することはできないし、需要に応えるために工夫する力もありません』という部分はまったく正しいです。間違いありません。
 というか、政府は、『民間の需要を把握』などする必要などないし、民間が需要するものに『応える工夫』をする必要などもないのです。

 政府が経済で果たすべき役割は、「民間では需要が起きず、民は欲しいとも言わないけれど、国家全体にとって必要なものを採算度外視で注文」したり、「国家的に必要になりそうな一部の新興産業や幼稚産業の保護」をしたりする事です。

 市場に限界があるのと同時に、もちろん政府の能力にも限界がありますから、「民間が需要するものを供給する」だなんて事は、おおむねやらなくていいし、「政府がそんなことをしだしたら邪魔だ」と、俺でも思います。(おっしゃるように、戦時や天変地異などの危機に際しては、別ですが)

 「民間の需要」を満たすのは、それこそ、民間の市場経済が果たすべき領域なのですから。


③以下、当ブログ記事「アベノミクスにおける二つの流れと、麻生太郎の重要さ(前編)」に対しての、トミー様のコメント。

『私には政府が適切な産業政策を取ることができるという発想こそガキみたいでついていけません。
> なぜ、複雑な需要を政府が把握できるのか? 日々市場で売れ行きを見ながら分析している民間企業ならともかく。
> 財政政策は失敗します。1990年代の公共事業が莫大な政府債務を生んだように。
>私も極端に小さな政府は懐疑的です。ただ、かつては国民負担率が25パーセント程度で、それだけ民間でお金が回っていたのに、今や40パーセント程度。
>(財務省サイト参照)
>その上消費税増税で極端に大きな政府にするのは間違いです。日本の伝統である民間の自立、小さな政府、に立ち返るべきです。



【俺の返答、3】

 繰り返しになりますが、国民負担率とは、国民所得に対する社会保障費の比率です。
 社会保証費が増大しているという事が、経産省の役人による産業政策の強弱と何の関わりがあるか、ちょっと日本語として理解ができません。
 そして、高級官僚が減らされているというのは、先ほど示したとおりです。

 また、これも繰り返しですが、産業政策に「民間の需要を伺い知る」必要などありません。
 既に民間で需要のあるものは、それこそ民間市場でやればいいのであって、そこは政府が云々する領域ではないのです。

 日本の経済の伝統を振り返って、産業政策で起こった産業を上げれば、明治の殖産興業では紡績、鉄鋼、電化、兵器、戦後では車、家電、パソコン、などがパッと思い浮かびます。
 当然、それらは自由な市場からポッと湧いて起こったわけではありませんね。産業というのは、始めはどんなものでも新興産業ですから、民間に需要が無いんですよ。だって、多くに周知されていない新しいものを、民間が需要するなんてできないでしょう?

 例えば、今我々は車を持つことが当たり前の世の中に生きていますが、最初からそうであったわけありませんね。
 最初は、車の民間需要は極めて小さく、民間が単独で投資をするには苦しい状態だったのです。規模の経済がとれないので当たり前ですよ。
 でも、どうやら車というのは、運搬等の利便性に鑑みて、国家全体の経済に益となりそうだ……と判断して、政府が車会社をひいきにするんですね。
 これは別に「民間の需要に媚びている」わけではなく、政府が、国家として必要そうな産業をひいきして、新たな既得権益を作り出しているという話なんです。

 これが、日本経済の伝統、「官民の協調」ですよ。

 経済成長戦略とは、新たな産業を生み出して長期的に経済を成長させていく戦略だと存じます。
 そして、「新しい産業」というのは、「まだ民間に需要が無い産業」の事ですから、供給サイドも民間のみでは無理です。産業政策による幼稚産業保護が絶対に必要ですし、日本はそうやって大きな産業を生み出してきたのですから、その伝統に学んだらどうでしょうか。

 勿論、産業が熟成し、「民間市場がそれらを需要する」といった段階になれば、政府は手を引くべき話なんですけどね。そうなれば、規模の経済がとれるので、民間で収益を上げられるし、市場原理だって働くようになるでしょうから。
(郵便や電力といった公共性の高い産業は別ですよ)



④以下、当ブログ記事「アベノミクスにおける二つの流れと、麻生太郎の重要さ(後編)」に対しての、トミー様のコメント。

『>民間も失敗はするけど、自浄が働きます。例えば、油断した企業は倒産する、などです。
>役所は倒産しません。しかも日本の官僚は選挙で地位を失うこともないので、自浄作用が働きにくいです。アメリカのように政権交代で官僚も入れ替えるならまだマシかもしれませんが。
> 麻生はリーマンショック後の厳しい時期に消費税増税を言い出して、消費を萎縮させ、不況を深刻化しました。
> 時期の問題だけではなく、日本の伝統を壊す、増税と大きな政府を進める政治家ですから、麻生氏が財務大臣であることは、安倍政権の最大の欠点です。』


【俺の返答、4】

 役所が倒産しちゃ国家は無秩序状態じゃないですか。
 そもそも、政府官僚を始めとする役人と、民間企業では立場が違います。甘ったれた事を言ってもらちゃ困るんですよ。

 あと、アメリカの役人は、政権交代ごとに職を失ってどうするんだろうと考えた事はないのですか?政権交代ごとに、みんなの大っ嫌いな天下りをするのですよ。それも政権交代ごとに役所と民間を行ったり来たりするわけです。ちなみに、アメリカでは、政治家も、政権を失ったあとの浪人中は恥じらいもなく民間へ天下りますからね。

 俺は、天下り肯定派ですが、アメリカのように節操のないのは流石にちょっと勘弁して欲しいですね。

 また、俺は、民間市場が「失敗するからダメだ」と言っているわけではないんですよ。民間市場にはおおいに奮ってもらって良いのです。ただ、民間市場は失敗するものである事を認めること、そして、政府にしか修正できない領域がある事を認めること、さらには、官と民が国家において協調する事が大切だと、そう思うわけです。

 あと、消費税は、バブル後の不況で下げた法人税と所得税を、不況を脱した後に引き戻す意味でも絶対必要です。
 不況で税を下げるのは正しいですが、不況を脱した後に引き戻さなきゃ、不況の度に税は下がっていくではありませんか。
 また、日本の社会は少し金持ちから税を取りすぎて平等社会すぎなので、中流階級からも税を徴収できる消費税の方が、法人税や所得税をまんま引き戻すよりも良いだろう……と考えての意見でもあります。



⑤以下、当ブログ記事「各政党の国家と経済に対する立場」に対しての、トミー様のコメント。

『>私は、1960~80年代を見習い、税は低く、社会保険料は低く、その分家計は余裕があり、若者が家を買ったり、奥さんが専業主婦で育児をしたりできる豊かな国にすべきだと思います。
>
>実際は政府は肥大化しており、小さな政府は実現していません。小泉政権期は踏みとどまったとは思いますが、当時、減税はほとんどされていません。
>
>ただ、増税も控えめでした。これが小泉政権期の経済成長の原因の一つだと思います。
>
>日本人は伝統的に自立心が強く、勤労意欲が高いので、小さな政府が向いています。日本が日本であるために、小さな政府という状態を守り、取り戻したいです。』


【俺の返答、5】
 その『実際は政府は肥大化しており』って話は、日本政府に対するいわれのない中傷であることは先ほど示した通りです。
 また、『小泉政権期の経済成長』っていつしたのでしょうか?
 小渕政権、森政権の成長率を越えた年など、無いと思うのですが。

 最後に、『日本人は伝統的に自立心が強く、勤労意欲が高いので、小さな政府が向いています』というこの話を、少し噛み砕いてみましょう。

 そもそも、我々日本人が何故『自立心が強く、勤労意欲が高い』のかと言えば、それは「我々の一人一人が先天的、民族的にそのように生まれてきたから」ではないですね。
 それは、「日本における慣習や慣例の中に歴史の英知があり、それを生活の中で引き継いでいる国民」だからこそ、『自立心が強く、勤労意欲が高い』のです。
 つまり、今の我々が『自立心が強く、勤労意欲が高い』のは、今を生きる我々一人一人の功績ではなく、全ての過去の日本人が積み重ねたものの功績なわけです。

 そして、そもそも市場原理というのは、そういった過去から引き継いだ慣習、慣例があってこそ機能するモノだということを忘れてはなりません。

 また、その慣習、慣例というものの中には、当然、「政府と民の関係性」も含まれているはずなのです。何故なら、人間は人間として存在し始めた太古の昔より、小集団において「政府と民」というものの中で生きてきたからです。長い歴史を持つ日本においては、その関係性においても深い英知があると考えるべきです。

 俺は、日本の現状は、大衆心理に迎合して官僚を減らし、税を減らして、政府の指導力が著しく削がれていると考えます。

 日本が日本であるためにも、政府の適正規模、政府の適正な権限、政府と民の関係性といった所を、慣習や慣例を基に見直すべきだと思います。



(了)



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また、いつもご覧くださっている方、ご支援くださる方には、重ねて御礼申し上げます。

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